【2021年8月10日更新】
輪行とは
- 自転車を分解して専用の袋に収納したもの。
専用の袋とは、輪行袋として販売されているもの。自転車カバーやビニール袋、ウィンドブレーカー等でその場しのぎで使用したものは、専用の袋ではありません。
輪行袋からハンドルやサドル、転がすためのキャスターなど一部でもはみ出ているものは、ダメです。 - 3辺の和が250cm以内(但し、長さは2m以内)、重量が30kgいないものを2個まで車内に持ち込めます。
- 列車等の状況により、運輸用支障を生ずる恐れが無いと認められるときに限ります。
混雑している時はダメです。 - 無料です。1999年ごろから手回り品切符(JRの場合280円)は不要です。
輪行のルールは、JRおでかけネット、およびJR四国のホームページに明記されております。
JRおでかけネット 切符のルール
JR四国 きっぷのご案内
JR東海 手回り品のご案内
スポーツバイクを楽しむ人が増えたことで、ルールを守らない人も増えてきました。輪行とは言い換えれば、複雑な形状をした金属の塊を、薄い布で覆っただけの状態です。きちんと収納せずに大きな袋に入れたり、混雑した車内で我が物顔で持ち運んだりすれば、周りの乗客の方に接触したりしてトラブルになることは当然ですよね。車内ではあくまでも自転車は邪魔なもの、迷惑なものと考えて、なるべく邪魔にならないように分散して乗車したり、混雑した時間帯をずらしましょう。
一部の輪行袋を製造しているメーカーが、「売れるから」という安易な理由で、最初から3辺の和が250cm以上ある輪行袋を製造しているのが現実です。
また、自転車店も安易にそのような輪行袋を販売してしまっています。雑誌などのメディアも然りです。
輪行の歴史
もともとは競輪選手が競技場まで遺贈するための方法。日本サイクリング協会(JCA)が鉄道会社と交渉したことにより、JCAの会員証を提示し手回り品切符(1日200~270円)を購入すれば、輪行袋に収納した自転車を列車内に持ち込めるようになりました。
その後JCAや自転車愛好家達による鉄道会社との交渉により、1984年10月1日からJCA会員以外でも、手回り品切符を購入すれば輪行することが出来るようになりました。さらに1998年秋にJR東日本が、1999年1月1日からは全国のJRが輪行を無料化しました。つまり、今の私たちが無料で輪行できるのは、日本の自転車乗り達の粘り強い交渉があったからなのです。
そのことを知らずして、自転車側の権利ばかり主張する方がいるのは、悲しいことです。それはまるで歩道を自転車で我が物顔で走るようなものです。
輪行袋の種類
輪行袋と呼ばれるものには、大きく分けて4つに分類できます。
その1 縦型輪行袋
- 前後輪を外し、サドルとリアエンドを底辺にして収納するタイプ。
- 最もコンパクトに収納できます。
- 袋をジッパーで止めるタイプと、巾着タイプで止めるタイプがあります。車輪を収納する部分に仕切り布があるものもあります。
- リアエンドを底辺にするため、エンドを保護するためのリアエンドが別途必要です。(付属するタイプもあります。)
- きちんと自立します。
- オススメはこちら
- ワールドサイクルの輪行講座では、このタイプの収納方法をお教えしております。
- パーフェクト輪行マニュアル
- 輪行マニュアル 簡易版
- パーフェクト輪行袋収納マニュアル これで輪行袋の畳み方は完璧
その2 逆さ輪行袋
- 前後輪を外し、サドルとハンドルを底辺にして収納するタイプ。
- リアエンドが上になるため、エンド金具が不要です。
- なかなか自立しません。
- 縦型タイプよりは横幅が大きいため、車内でのスペースが必要です。
- グランジの輪行袋「キャリー」の使用法を徹底公開。
- グランジの軽量輪行袋「キャリーライト」の使用法を徹底公開。
その3 輪行袋とホイールケース(2個持ち)
- エアロロードバイク+ディープリムのように、フレームやリムが太すぎて固定しづらい場合に有効。
- 前後輪を外し、フレームのみ輪行袋に入れる。車輪はホイールバッグに収納する。
- フレームと車輪をストラップで固定する必要が無いので、傷や汚れの心配が無い。
- 駅での持ち運びは面倒。走行中もホイールケースの分の荷物が増える。それさえ割り切れば、1梱包あたりはコンパクトになるので、車内では邪魔になりにくい。
ここまでは、JRのルールどおり3辺の和が250cm以内に収まることがほとんどです。
ココから先のタイプは、規定のサイズを超えるものが多数販売されています。また、もともとサドルがはみ出るように作られているものもあります。いうまでもなく、それらはJRの輪行ルールを守っていません。
その4 前輪のみ外す輪行袋
- 後輪をはずすのが難しい、手が汚れるというユーザーの声を参考にしたメーカーが作り、自転車店も安易に販売してしまったタイプ。ロードバイクであれば、ペダルを外す、サドルを下げるなどすれば、ぎりぎり250cm以内収まる場合もあります。でも工具を必要とするそんな手間を掛けるのであれば、後輪も外して収納したほうがよっぽど楽です。
- ハンドルの一部やサドル、後輪の一部がはみ出すというものまでありますが、その場合サイズ云々以前に、ルール違反です。
- 電車での輪行には使用できません。これはマナー云々ではなく、ルール違反です。
- 何より車内でとても邪魔です。周りから白い目で見られます。他の乗客の邪魔にならないように終始気を使っている必要があり、リラックスできません。横に置けば通路にはみ出ます。縦に置けば支えておかなければいけません。いいことなんて何一つありません。最初にこのタイプを購入してしまった方で、後から前後輪を外して収納するタイプに買い換える方も多数おられます。
- 実際のところ、数センチのことに駅員さんからいちいち突っ込んでくることは非常に稀なケースといえるでしょう。ほかにもルールやマナーを守らない乗客はたくさんおりますから。でもだからと言って、ルールを守らなくてもよいという言い訳にはなりません。
その5 ハードケース
- 飛行機で輪行する場合に試用する輪行袋。
- 布製でウレタンのクッションなどを挟んでいるタイプと、完全にハード(硬い)なタイプがあります。飛行機輪行の場合、他人に預けるため自分のように丁寧に取り扱ってくれません。重ねられることもありますので、薄い布製の輪行袋ではなく、クッション材を使用して容易に壊れないようにしなければいけません。
- 最近は安価で軽量なダンボールやプラスチックダンボールを使用したタイプが人気です。
- 飛行機の燃料代が高騰しており、電車での輪行よりも飛行機での輪行のほうが大変です。大きさや重量の規定はより厳しくなり、また航空会社によって対応が異なるからです。国内線と国際線、確約航空会社(LCC)でも異なります。古い情報はあてになりませんので、常に最新の情報を確認してください。
ゴミ袋輪行は何故ダメか?
自称自転車のベテランと思っている人が、「緊急用」と称して誇らしげに「ゴミ袋」で輪行している記事や画像を見たことがありませんか?
ゴミ袋とはいえ、綺麗に梱包されており、通常の輪行袋とそん色無いように見えますよね。そこだけみれば誰にも迷惑をかけていないように見えます。
でもそれを初心者の方が見て、「正解」として認識してしまうとどうでしょう。彼らはベテランのように上手くパッキングできません。下手な梱包で他の乗客の方に怪我をさせたり、洋服を汚してしまったら?
巨大な半透明のゴミ袋とガムテープで巻かれた物体・・・普通の人が見たら一体なんだと思うでしょうか?
それって、夜中の誰もいない赤信号を無視するようなものだと思いますよ。
ゴミ袋輪行袋なんて、みっともないですから、やめましょうね。それを誇らしげにウェブにアップするのはもっとみっともないですよ。
たとえそんな事態に陥ったとしても、他の乗客の方には関係の無いことです。輪行袋を持っていなかった自分の準備不足を、正当化するような理由には全くなりません。
2015年8月27日追記 絶対に真似してはいけない、ゴミ袋自転車運搬法
困ったゴミ袋輪行画像をツイッターで検索すると、こんなに沢山出てきます。どれも誇らしげにゴミ袋自転車運搬方法をしているようなコメントが、恥ずかしいです。これは決して「輪行」ではありません。マナー違反でもありません。ルール違反です。
2016年8月17日追記 車内で立てて携帯できるものは持ち込むことができます
JR東海の「きっぷのルール 手回り品」を見ると、このように書かれています。
無料のもの
•旅行鞄、スーツケース、スポーツ用品(サーフボードは専用の袋に収納したもの)、楽器、娯楽用品、玩具、その他携帯できる荷物
※スポーツ用品、楽器、娯楽用品などは、長さの制限を超える場合であっても、車内で立てて携帯できるものは持ち込むことができます(専用の袋、ケースなどに収納するようにしてください)。
•サイクリングやスポーツ大会などに使用する自転車は、解体し専用の袋に収納したものまたは、折りたたみ式自転車においては折りたたんで専用の袋に収納したもの
なるほど、となりますと、サドルやハンドルをはみ出さずに輪行袋に収納した状態が縦横高さを250cmを超えたとしても、車内で立てておけば、ルール違反ではないということですね。実際問題、非常に困難だとは思います。当然のことながら、一部がはみ出ていれば問答無用でルール違反です。
<h3″>5/20から、新幹線での輪行方法が少し変わります。
- 指定席の最後尾席(5席)を予約した人だけ、背もたれの後ろに特大荷物を置くことができます。輪行する場合はできるだけこの席を予約しましょう。詳しくはこちら
そんな輪行ルールの細かいところや、歴史なども学べる、ワールドサイクルの輪行講座。ご参加お待ちしております。
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