マルトから発売された、カラフルな4色の輪行袋「マルト ツアーバッグロード用輪行袋」。実際に輪行マイスターが輪行してみましたので、レポートいたします。
まず輪行袋の基礎知識。どれだけコンパクトに収納できるかという基準で分類しますと、3種類に分類されます。
- 前後輪を外して縦型に収納する。(R250、オーストリッチL-100等)
最もコンパクトに収納可能。エンド金具が必要。 - 前後輪を外して、横型(逆さま)に収納する。(グランジのキャリー モンベルのコンパクトリンコウバッグ)
1よりは大きくなるが、エンド金具が不要なので収納が簡単。 - 前輪だけはずして後輪はつけたまま、収納する。(オーストリッチの超速FIVE タイオガのコクーン モンベルのクイックキャリー)
このタイプはサドル・ペダルを外さなければ、鉄道各社がルールとして定める輪行袋の最大サイズ(縦横高さの合計250cm)を超えることから、電車での輪行は出来ません。フェリーや自家用車でご利用ください。
「マルト ツアーバッグロード用輪行袋」は、ズバリ2番です。1番の縦型ほどコンパクトにはなりませんが、エンド金具が必要ないので、その分収納作業は簡単といえます。
このマルト・ツアーバッグがコレまでの横型と異なるのは、ハンドルを曲げずに収納することです。ハンドルをまっすぐにしたまま収納することで、簡単に自立した状態で収納することが出来ます。
ハンドルをまっすぐにするために、シートポストとハンドルを固定するストラップが付属します。商品の説明書ではハンドルのステム付近で固定していますが、ブラケットのほうがより確実に固定できるでしょう。上記のストラップを取り付けたら、前後輪を取り外し、袋の上に逆さまにおきます。 フレームの左右に車輪を置いて固定します。このとき輪行袋には付属しませんが、スプロケットカバーとフレームカバーは必ず取り付けてください。そうしないと、フレームが傷だらけになりますよ。 車輪とフレームは、付属のフックつき輪ゴムで固定します。
ショルダーベルト(肩掛けひも)をボトムブラケットとステム(ヘッドチューブ)付近に取り付けます。 この紐、なぜか長さを調節できません。ショルダーベルトが外に出るようにして、本体ジッパーを閉じれば、完成。 ショルダーベルトは控えめにコレくらい。 担いでみました。横長なので、背の低い方(目安は160cm以下)でも階段を上り下りする時に輪行袋の底がヒットしにくくなります。 ココまでは机上の理論です。実際に電車に乗ってみましょう。
駅舎の外の壁際、邪魔になりにくいところで輪行作業。 駅のホームで電車を待ちます。展示ブロックをふさがないように。 これくらい空いている車両だと、輪行しても邪魔になりませんね。偶然シートが輪行袋の色と同じでした。輪行袋を置いたすぐ横のシートに座れればベストです。手すりに繋げるような紐がないのは、少々不便です。また、この車両は空いていたから良いものの、横型は縦型に比べて、より広いスペースを占有してしまうのは否めません。改札を通る時に気がつきました。ハンドルが横を向いていないので、幅が広い。不覚にも自転車を自動改札機にぶつけてしまいました。 混んでいる駅で人にぶつからないように歩くのは、より気をつかいます。メリットは、縦型に比べると、エンド金具をつけない分、袋に入れるのはすこし簡単。ハンドルを曲げないので、自立するように収納するのも簡単です。ハンドルを固定するストラップは付ければ完璧。つけなくても自立はしますが、ちょっとでもハンドルが斜めになると倒れそうになるときもありました。スプロケットカバーとフレームカバーは別売りですが、無いとスプロケットとクイックレバーで確実にフレームを傷つけるでしょう。必ず購入して取り付けてください。
デメリットは、大きい。通路にかなりはみ出します。輪行する路線の混み具合によっては、縦型よりもさらに車内では気を使うでしょうね。ハンドル幅がそのまま収納サイズになりますので、自動改札をスムースに通過するのは難しいといえるでしょう。ショルダーベルトの長さを調整できないので、体格の大きな方は肩に担ぎにくいでしょう。
収納した状態ではサドルの下にくくりつけることも出来ます。ただし、あくまでメーカーがそういっているというだけで、実際は安定感が全くありませんのでオススメしません。カジュアルな服装で走るなら輪行袋だけで輪行できますが、サイクルジャージの場合はショートパンツや着替え、クリートカバーなどが無ければ、輪行することは出来ません。結局それらと輪行袋を一緒にもつことになりますから、バックパックやすこし大きめのサドルバッグは必要になります。メーカーの説明によれば、半分にすればボトルケージに収納可能とあります。やってみたところ全くは入りません。あれっ?と思って、ストラップ類を抜いたらボトルケージに入りました。絶対不可能なことを出来るといってしまうメーカーもありますので、そこはご注意ください。
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輪行はあくまでサイクリングをより楽にするための手段です。輪行で疲れてしまわないように、あらかじめ練習してから本番の輪行をしてくださいね。目的はサイクリングですから。
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