サイクルジャージには3つのバックポケットがお約束だが、サイクルショーツには脚の動きを妨げるのでポケットはついていない。
そんな常識が崩れ去って早数年。ついにメジャーメーカーもサイドポケット付きレーサーパンツを発売し始めました。
2019年にR250から発売したサイドポケット付きビブショーツ
注目なのが、2020モデルからサイドポケット付きビブショーツをラインナップした、セブンイタリア。早速レポートしてみましょう。
セブンイタリア Trailer X Bibshorts ブラック サイドポケット付き
まずはポケット部分です。遠めに見るとわかりませんが、細かいメッシュです。おやっと思うのが、ポケットの形がきっちり長方形ではありません。入口のほうがすこし狭まっていますね。これはSサイズなのですが、履いていない状態だと入口の幅が90mmしかありません。大丈夫でしょうか?
右側は「セブンイタリア Neo Cobra II Bibshorts ブラック/ホワイト」です。ポケットがないだけでほぼ同じ仕様です。価格も220円しか変わりません。
違いが判りますか?普通のショーツの太もも部分は、生地がぐるり一周していて、縫い目は1本。サイドポケット付きはポケットの両サイドに縫い目が必要ですから、その2本と、この写真からは見えませんが内側に1本と合計3本。縫い目は少し膨らんでいますから、長時間履けば摩擦や食い込み跡の原因となります。当然ながら多いより少ないほうが良いとされています。
ただし、少ないと立体的で動的な身体の形をしわなく包み込むことはできません。縫い目を増やして立体を作るか、生地の伸縮性の特徴を生かして少ない縫い目で立体にするかは、スポーツウェアー開発の心臓部とも言えます。
ついでにもう一つ、ウェアーの豆知識。生地にはプリントと染めの2種類があります。プリントはデザインが自由に作れますが、プリントする前の生地は白色です。裏を見ればわかります。白いですから。たとえ真っ黒にプリントしたとしても、引っ張ったり、摩擦で白っぽくなります。お尻の桃が透けているライダーをたまに見かけますが、プリントされたレーパンが原因です。
一方糸から染めて織り上げた生地は、引っ張ってもこすれても白っぽくなりません。裏から見ても同じ色です。サドルとこすれる股の部分、太ももの裏は染めの生地を使っているものがほとんどなのは、そういった理由です。
3本ローラーの上で走りながら、いろいろなものを入れてみました。
まずはスマホ(iPhoneXR)。サイズ感はこれくらい。ポケットの幅は、最終的にその人の腿の太さ次第です。ケースに入れて横幅85mmのスマホは、余裕で出し入れできます。
続いて、休憩中にちょっと外して、よく失くすものといえば、グローブ。
今だと食事中にマスクを入れておく専用ポケットとしても、便利です。
重たいものを入れたら、ペダリングしにくいんじゃないの?って思われるかもしれませんが、私もスマホをここに入れっぱなしで150キロ走るとは思っていません。休憩中のグローブやサイコンとか、そのくらいのものだと思いますが、そんなちょっとのことでも、スペアのポケットがあるのって、すごく便利。メッシュの圧力で脚にピッタリと張り付くので、軽いものなら揺れてペダリングがしにくいということもありません。
ジャージのバックポケットでいいじゃない?って思われるかもしれませんが、バックポケットにはすでに財布とか、スマホとか、入れるものが決まっている人も多いと思います。一つのポケットに2個以上ものを入れると、出し入れの時につい一つ落としてしまったり、思ったほうが出し入れできずにイラっとすることも。
実際に使ってもらえると、あ~なんて便利なんだろうって、きっとわかってもらえると思います。
他のメーカーからも発売されております。
ビブ(肩ひも)なしや、レディースモデルも。
パールイズミ 【224-3DR】ツアー パンツ サイドポケット付き
セブンイタリアのジャージもご紹介。
セブンイタリア Seven Racing II Jersey ホワイト
前面にメッシュ生地、他もすごく薄い生地を使っているので、持っても軽いですし、着てもふわっと涼しさを感じます。
セブンイタリア Trailer X Bibshorts ブラック (7AS-SIT-SC-BKON) サイドポケット付き
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