かなり以前から、空気入れの口金の最高級品は「ヒラメ」という日本のメーカーのものがナンバーワンといわれております。
職人がひとつづつ手作りで生産するため、月間の生産数が限られており、当店でもここ数年在庫となったことがありません。常にお客様にはご予約としてお待ちいただいており、入荷したらすぐに発送するといった状況です。実際に使ってみると、すっとバルブにはまり、固定レバーをほんの少量「カチッ」と閉じればどれほど高圧まで入れてもヘッドが抜けることが無く、気持ちよく空気が入っていきます。外すときもレバーを「カチッ」と開けば、パッキンがバルブに固着して硬くなるようなことなく、いともたやすく外すことができます。なるほど確かにこれは「キング オブ ポンプヘッド」と呼ばれるに相応しい逸品であります。
しかしながら発売から数十年たっており、いつまでたってもこれを超えるポンプヘッドが無いというのも情けない話。
ポストヒラメとして、昨年発売された日本のパナレーサーのポンプヘッド「ワンタッチ仏米式対応口金」をご紹介いたします。
樹脂製のボディで、ハンマーのような形状。青い方が仏式バルブ用、赤い方が米式バルブ用となります。
使い方は簡単です。仏式バルブの例でご紹介いたしますと、まず仏式バルブの先っぽを緩めて一度プシュっと押して、コア(虫)が固着しているのを解放します。ヘッドの赤い方を押して、青い方の仏式バルブ用ヘッドが外に出た状態にしてください。
次にヘッドをまっすぐバルブに差し込みます。ゆっくり差し込むとエアが漏れやすくなりますので、素早くまっすぐ押し込んでください。奥まで入るとカチッと青いパーツがめり込んで、赤いパーツが押し出されます。これで準備完了。あとは空気入れをポンピングして、希望の空気圧まで空気を入れてください。
入れ終わったら、ヘッドを抜きます。いきなりヘッドを引っ張らないでくださいね。まず赤いパーツを指で押し込みます。するとスッとヘッドが外れます。
ヘッドにレバーが付いたタイプの場合、レバーを緩めてもヘッドを抜くときに硬かったりします。無理やり引っ張って、手をぶつけてしまうことがありますが、パナレーサーはヒラメと同じように外すのに力が要りません。
ヒラメより軽くて、ヒラメの半分以下の価格で購入できるパナレーサーのポンプヘッド。「パナレーサー 02ワンタッチフロアポンプ」というフロアポンプには標準装備ですが、「パナレーサー アルミ・ゲージ付きフロアポンプ 」にも取り付けることができます。
交換方法はカタンタンです。まずこちらが「パナレーサー アルミ・ゲージ付きフロアポンプ 」にもともとついているポンプヘッド。レバー式で米式と仏式を切り替える場合、いちいち先っぽのカバーを外して中のパッキンの向きを逆にするという面倒な作業が必要です。外すときにレバーを緩めても、パッキンがそのままバルブをキュッと加えている為、外すときにも力が必要。手の力の弱い方には、少々硬い作業です。
「パナレーサー アルミ・ゲージ付きフロアポンプ 」のヘッドを「ワンタッチ仏米式対応口金」をに交換してみましょう。
まずポンプヘッドを反時計回りに緩めて外します。硬くて手で外れないという場合は、プライヤー等で固定して外してください。
外したら、「ワンタッチ仏米式対応口金」をねじ込みます。以上、完了。
簡単ですね。他のポンプにも取り付けたくなりますね。取り換える前後を比較した写真です。もともとのヘッドはレバーが大きくてかさばります。「ワンタッチ仏米式対応口金」のコンパクトさが際立ちます。
でも大変残念なことに、この「ワンタッチ仏米式対応口金」は、パナレーサーの上記2つのモデル専用なんです。
ホースとヘッドを接続するパーツが、ヘッドには付属しておらず、ポンプについているものを流用するしかないのです。
ポンプヘッドとホースの接続方法として一般的なのは、こういうタイプです。これはシマノプロの空気入れですが、今回紹介しているパナレーサーのポンプヘッドは取り付けできません。
パナレーサーのポンプヘッドは、ホースの太さが10mmで、内径が5.5mmに対応しております。ホースの太さは8mmもしくは10mmというのが多いですね。
ばらしてみると、こんな構造です。上のタイプとはパーツが1つ多いところと、ホースの太さが異なります。
このポンプヘッド、実は台湾の空気れの製造を得意とするメーカーのもので、パナレーサーのOEM商品となります。キャノンデールやスペシャライズドのポンプにも、このヘッドを採用したものがあります。
「パナレーサー アルミ・ゲージ付きフロアポンプ 」をお持ちでしたら、ヘッドをアップグレードしてみてはいかがでしょう。これまでよりも楽~に空気が入れられますよ。
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