いろいろなメディアやSNS等で、輪行について書かれている記事や一般の方からの意見がありますが、それらを見ていると、正解があるにもかかわらず、「ビミョー」とか、「あいまい」とか、「グレーゾーン」とか、「マナー」だとか言われていることがあります。
いや、それビミョーでもあいまいでもグレーでも無いんですよ。きちんと正解(ご利用案内)があるんです。
特に気になった3つについてご説明いたします。
「輪行のルールは、最近厳しくなった」
- 厳しくなったわけではありませんよ。この約30年で輪行のルール変更は2つです。(1)1984年に日本サイクリング協会の会員でなくても手回り品切符を購入すれば輪行できるようになったことと、(2)1999年に手回り品切符を購入しなくても無料で輪行できるようになったこと。同時に輪行のサイズや専用の袋に入れた状態という条件が付加されました。
「持ち込める荷物 (携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メ-トルまで)以内、重さが30キロ以内のものを2個まで持ち込むことができます。(ただし、傘、つえ、ハンドバックなど身の回り品は個数に数えません。)」
「サイクリングやスポーツ大会などに使用する自転車は、解体して専用の袋に収納したもの、または折たたみ式自転車で折りたたんで専用の袋に収納したもの」
輪行袋に入れることも、サイズ(縦横高さ250cm以内)のことも、それから14年間ずっと変わっていません。「専用の袋に収納」といっているのに、サドルやハンドル、タイヤをはみ出してもいいと考えるのは、自分勝手な拡大解釈です。収納するというのは、中身を完全に入れることです。一部がはみ出ていれば、収納した状態ではありません。
では何故? 厳しくルール改正されたように勘違いしたのか? それはいままでJRが黙認してくれていただけです。黙認は許可とは違います。ルールがあるのに黙認し、それで事故が起きればルールを周知徹底し守ってもらい、未然に防ごうとするのは当然のことです。昨年(2013年)1月に、JR四国がこんなポスターを掲示したのがその疑問のきっかけねのでしょうが、この内容は新たに決められたものではなく、元からあったものです。改めて自転車の部分だけ取り上げて、分かりやすくまとめたというものです。変更ではなく、再掲です。
となると、次の疑問がわいてきます。
「これはJR四国だけのことか? その他のJRグループには、関係ないのでは?」
- いやいや、何をおっしゃるウサギさん。発信したのがJR四国だったというだけで、日本の全てのJRグループに共通のルールです。JR四国に乗る時だけのルールなどでは決してありません。丁寧に写真までつけて説明してくれておりますが、文言はJRグループ共通です。こちらをご覧ください。
- JR北海道 きっぷに関するご案内(PDF)
- JR東日本 きっぷに関するご案内
- JR東海 きっぷのルール
- JR西日本 きっぷのルール
- JR四国 きっぷのご案内
- JR九州 きっぷのルール
「手回り品切符を購入すれば、サイズが縦横高250cmを超えても良い。」
- 誰がそんなこといったんでしょうね。サイズを超えた手回り品は、電車には乗せられません。手回り品切符を購入しても、載せられません。手回り品切符を購入すれば乗せられるのは、縦横高90cm以内のケージに入れた10kg以下のペットだけです。
では最後に、この疑問。
「駅や車内ってどこなの?」
- 改札を入ってからです。切符売り場は改札の外ですので、そこは歩道であったり、建物の中になりますので、当然乗車は出来ません
バスは基本輪行NGです。バスのトランクは小さく、直前までどれくらいの荷物になるかわかりません。輪行袋は上に荷物を積むことができず、壊れやすいものです。ちょっと想像すればバス会社にとってはとても厄介な荷物であると想像できるでしょう。
ただし、トランクの大きなバスに限って、予約制にして台数を把握する、別料金にすることで、輪行を受け入れてくれるバス会社もあります。こちらです。
2019.6.13追記
少し前にSNSで「輪行警察」というワードが流行りました。ルール違反、もしくはグレーな輪行をしている人を勝手に撮影して、SNSで糾弾するというものです。心が冷たくなりますよね。一瞬を切り取っただけの写真と一方的な意見からだけでは、判断できるはずもないのに。ひょっとしたら駅員さんに相談してそうなっているのかもしれません。周りの混み具合なんかも、切り取った写真からはわかりませんよね。歴史ある日本の輪行を、自らの手で窮屈にするようなことって、ほんと不毛ですよね。人と人がちゃんと話せば、そうそうトラブルなんて起こらないと思いますよ。スマホばっかり見てないで、顔を上げて周りを見てみましょう。
2020.5.1から新幹線での輪行ルールが変更になります。
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