自転車で曲がるとき、「左コーナーより右コーナーが苦手」という方が多いようです。

理由はいろいろあって、人によって当てはまるもの、当てはまらないものがあると思います。代表的な理由は、

• 左コーナーで曲がりきれずに右側に膨らんでも道があるけど、右コーナーで曲がりきれずに外側に膨らむと、道が無い。だから怖くて苦手。
• 心臓が左胸にあるから、左側に倒れるほうがバランスがいい？
• 左側から自転車に乗り降りするから、左コーナーのほうがとっさのときに脚を出しやすい。右側だと、脚が出しにくい。

などなど。

オートバイでも同じように「右コーナーが苦手」という話題がありますが、オートバイの場合、右手がアクセル、左手がクラッチ、右足がブレーキ、左足がクラッチなど、自転車よりも左右の動きが異なるものが多く、傾き方によって操作しずらくなるというのは、理解できます。

ですが、自転車の場合、左右の違いはブレーキの違いくらい。それ以外は限りなく左右対称な動き。

だったら、左右のコーナーで得意、不得意があるって事は、単純に慣れだけの問題では？

慣れで苦手になるのは、もったいない。せっかくですから苦手を克服するためにちょこっと練習してみましょう。

まずは、自転車に乗るとき、どちらから乗りますか？　左から？　右から？

いつもと違う方から、同じように乗れますか？　早速やってみてください。

もし、左右同じように乗れないとしたら、上手く乗れないほうに曲がるのが苦手では？

つまり、意識がどうとかいうより、体の左右の動きのバランスが実際に違うのが原因なのでは？

ロードバイクしか乗らない人と比べると、マウンテンバイクでトレイルを走る人のほうが、左右どちらからでも乗り降りできるようです。トレイルの場合、左車線だからということは無いので、左曲がりでも右曲がりでも両方ガケというシチュエーションは少なくありません。

苦手なんていってられませんね。落っこちちゃいますから。

左右どちら側でもとっさに脚が出せなければ危険です。

シクロクロス競技の場合、競技中にシケイン（乗車したままでは超えられない激坂や人工的な障害物）を超え無ければいけません。その時いかに減速せずに乗り降りできるかが、重要なテクニックです。

これも、左右どちらからでも同じように出来ますか？

信号待ちで停止するとき、どちら側の脚を地面につきますか？

日本は車道の左側を走るため、右足を出すとより車道側に傾くことになり、危険という考え方もあります。

ですが自転車が停止中は他の車もオートバイも止まっていることですし、ほんの数センチ車道側に出るからといって、危険ということもないでしょう。それなら道路の左端ぎりぎりに止まるかと言うと、そうでもないですし。

短い距離であればいつも同じ側の脚を出しても、どうもないですが、これが、100キロ、200キロと走った場合、いつも同じ側の脚を出していると、疲労が蓄積されます。ビンディングペダルをつける、はずすときにはひざをねじる動きが加わりますから、ちりも積もれば山となる。脚に来ます。

実際私も初めて1日で300キロ以上走ったとき、左ひざの外側の靭帯に痛みを感じました。対策として途中から右足を地面に付くようにしたところ、左ひざの痛みは感じなくなりました。最初から交互に脚を地面につけるようにしていれば、ひざの痛みは無かったかもしれません。

いつも同じ脚ばかり出していると、そっちのクリートや高価なカーボンソールが痛むという理由もありますけどね。

自転車って、他の多くのスポーツと違って、ほぼ左右対称な動きをするスポーツです。とっさのときにどちらに逃げるかは状況次第。

できるだけ苦手意識を持たずに、左右対称な動きが出来るよう、普段の動きにも気をつけたいですね。