もうかれこれ20年以上、シマノのチェーンをつなぐときは「コネクティングピン(通称コネクトピン)」を使うことになっています。7段や8段くらいの時までは、ママチャリのチェーンのようにチェーンのピンを抜く直前でとめておいて再利用なんて横着をしていたこともありますが、スプロケットの枚数が増えてチェーンが薄くなるにつれて、そんな怖いことはしなくなりました。10段用になったチェーンをコネクトピンでつないだ時は、コネクトピンの左右の遊びがほんのわずかしかなく、こりゃ下手に作業すると走行中すぐに千切れるな!と思いましたが、11段になるとさらにその上を行くシビアさ。マニュアル片手に初心者がとりあえずやってみるには、失敗したときのリスクが大きすぎますよね。ペダルに力を込めた瞬間にチェーンが切れる、外れるほど危ないことはありません。
はみ出したコネクトピンを折る瞬間がなんとなく気持ちよかったりするのですが、とうとう何回かの失敗を克服し、シマノもドイツや台湾チェーンメーカーと同じく、ジョイントタイプのチェーン接続パーツを発売しました。それが「クイックリンク(SM-CN900-11)」
同様のシステムが、ワイパーマンやKMC、YBNからも発売しております。見た目はほぼ同じ。かつてこのタイプは「再利用が可能」という触れ込みで、チェーン洗浄の都度バイクからチェーンを外して灯油に漬け込むという洗浄方法をとっていた人たちから大人気となりました。簡単に取り付けられるにも関わらず、何故か確実に固定されずに走行中に外れるといった事故がどれくらいあったかはわかりませんが、ある時からメーカーも「再利用不可、一度限り」とマニュアルに付け足すようになっていました。
考えてみたらそうですよね。相当な力がかかるところですから、一度でも緩む方向に力が加われば、外れやすくなるでしょう。もちろんシマノでも使用は一度限り。クイックリンクの寿命がチェーンの寿命を超えることはありません。
早速自分のバイクに取り付けることにしました。チェーンは2月に交換したところで、走行距離はまだ1000キロ程。たまたまフレームをビルダーさんに送る用事があったので、すべてパーツをばらしてチェーンも切りました。フレームが戻ってきたところで組み立ててコネクトピンでつなぐと、コネクトピンが2か所になってしまい、美しくありません。せっかくですのでクイックリンクでつないでみることにしました。
クイックリンクをつなぐところは、両側インナーリンクにしておきます。フロント側のチェーンをインナーに落としてチェーンをたるませて、クイックリンクの矢印通りにセットします。あらかじめクイックリンクのピンの部分にチェーンオイルを垂らしておくと、敏腕メカニックっぽくなります。
KMCのミッシングリンクにはメーカー指定の方向性はありませんが、シマノのクイックリンクには取り付け方向指定があります。矢印の向きにチェーンが正回転するようにしてくださいね。
手ではめただけではクイックリンクはロックされていませんので、シマノの純正工具(シマノ TL-CN10 クイックリンクツール)でガチンとはめ込みます。必ず純正工具を使いましょうね!というのは表の顔で、「ガチンとはめればいいんでしょ!」という点では、ペダルをガチンと踏み込めばオッケー。上の写真がロック前、下の写真がロック後です。この状態で上下から見て並行で、更に手でこじってみて渋みが無ければオッケー。
あとはチェーンに新鮮なチェーンオイルを染み込ませたら、気が向いた時間に気が向いた場所に走りに行きましょう。タイヤを変えたとか、バーテープを変えたとか、サドルを変えたとかであれば、走り出して何かしら違いに気が付くものですが、コネクトピンをクイックリンクに変えただけでは、全く全然100%何も変わりません。普通に走れる当たり前を味わってください。
でも、それでいいのだ! 重要なことなので繰り返しますが、クイックリンクは一度限りです。だったらコネクトピンと比べて何が良いの?ってことになりますが、それは簡単。新しい商品をつけたという高揚感、そして取り付けの簡単さ。作業時間もわずかですが早くなります。チェーンに注油するときに「スタート位置がすぐわかる」。KMCにミッシングリンクとの違いは、「シマノ純正という安心感」でしょう。
いくら簡単だからとはいっても、きちんとはまっているかの確認だけはしてくださいね。
動画でもご覧ください。
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シマノ SM-CN900-11 11段用クイックリンク 2セット入り
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