2020年2月24日、滋賀県信楽市にあるにある「ROSEゴルフクラブ」で、世界初となるシクロクロスレースが開催されました。
シクロクロスといえば、河川敷やスキー場、運動公園、牧場などで開催されることが多い競技です。厳格なるマナーと隅々まで整備の行き届いたあのゴルフ場で開催できる日が来るとは、シクロクロス歴13年の輪行マイスターとして、こんな記念すべき日はありません。
何故ゴルフ場で開催できるようになったのでしょうか? それはやっぱり人と人とのつながりですよね。京都自転車競技連盟、東洋フレームの方たちの努力の甲斐あって、ゴルフ場を貸し切ったのです。
初めて視察に訪れたとき、東洋フレームの竹ノ内悠選手は一瞬でコースがひらめいたそうです。ゴルフ場を借りているのは1日だけ。スタッフの皆さんは、前日最終組のゴルフ参加者の後ろをついて、コースを作っていったそうです。終わるころにはあたりは真っ暗。ヘッドライトをつけての作業だったそうです。
そして翌日。約700名の参加者はグリーンとフェアウェイの先に、見慣れたコーステープが張られているのを目撃しました。その先には、これまで関西シクロクロスはもちろん、日本のどのシクロクロスでも見たことにないような、ジェットコースターのような緩急入り乱れたコースです。狭い敷地をコーステープでグネグネにしたコースではなく、まるでBMXのコースのような、アウトからでもインからでも行ける角度のついたコーナー。ほおっておくと足を止めて自由落下するだけで軽く時速30キロを超える下り。ふわっと宙に浮くようなこぶ。逆バンクからのコーナー。15%以上の長い長い激坂を。
ゴルフ場ということで、受付はクラブハウスの中です。その奥にはロッカールームと大浴場。反対側にはレストラン。ビールの自動販売機。こんな至れり尽くせりのシクロクロスって、まるで天国。
輪行マイスターは9時半に会場に到着。初めて訪れるゴルフ場に興味津々です。エントランスにはオシャレなオブジェや、レトロな外車がディスプレイされています。早速ゼッケンを受け取り、会場を巡ります。かなり斜面のあるゴルフ場のようで、クラブハウス周辺からはコースはほとんど見えません。少し下ると、見渡す限りフェアウェイとコーステープが広がっています。はやる気持ちをおさえて、まずはレストランへ。1300円のブッフェが参加者特典として1000円に。レースまで3時間半あるので、ゆっくりと時間をかけていただきました。
11時からの試走で、このコースの全ぼうを知ることとなりました。つい「うっひょ~」と声が出てしまいます。ナニコレ、楽しすぎるコースなんですけど。バンカーに突っ込むわ、ガンガン下るわ。グイっと登ったら、急転直下。直後に上がって、コーナーから再度急降下。どんな絶叫マシンよりもスリリング。頼るべきは100%自分のバイクコントロール技術。コースはあってもレールは無いですから。
レースは午後1時40分からのCM1。先月CM2からCM1に昇格して2戦目なので、スタートは最後尾。前回の桂も最後尾からスタートして45位(77人中57%)だったので、今回はそれより上を目指します。
前回分かったのは、最初の半周は何をやっても前には出られないということ。だったら無駄足を使わず、落車に巻き込まれないようにスペースを取りながら最後尾で心拍数の上昇を抑えること。そのあと必ず順位を上げるポイントはやってきます。
予想通りというか予想より早く、スタート後5メートルで落車発生。最後尾だったので問題なし。最初のジェットコースターの下りも落ち着いて。1周目の後半から、少し幅のあるストレートや、コーナーで一人づつ安全にパス。
周回ごとに3~4名パスしていく感じで、4周目。下りきった何でもないようなところでフロントのチェーンが外れてしまいました。止まってなおしている間の5人くらいパスされましたが、ほぼ数珠繋ぎで目の前に見えています。1周あればその5人は抜き返せるはずと、力まないように落ち着いて再スタート。5周目に入ったところで、ラスト一周の鐘が、、、鳴らない。
あと2周かよ。いや、あと2周もこのコースを楽しめる。
最後のZ坂でちびっ子たちが応援してくれてます。乗ったままクリアしたかったけど、結局後輪のトラクションのかけ方が下手で、無理。あごを引いてサドルの荷重を抜いて、筋力ではなく荷重をペダルの1時に乗せることだけに集中して、そのあとの激坂をクリア。やまめの学校とキソテクの練習の成果です。
結果は29位(61人中44%)。前回よりも少しステップアップすることができました。レース後は大浴場にはいって身体がくにゃくにゃ。自動販売機のビールを見ないようにして、駐車場で車を積んで、新名神と名神で帰宅しました。信楽といえば今NHKの朝ドラで人気ですもんね。インターまでは少し道が混んでいましたが、+15分くらいの範囲だったと思います。
このコースが全然楽しめなかったという方は、基礎不足です。是非この講座を受講してみてください。
柳原康弘xワールドサイクル「ロードバイク向けの基礎テクニック講習会 講座 キソテク」
早速来年もこのローズゴルフクラブでという声が上がっているようです。参加料が関西クロスのシリーズ戦より少し高いのは、そのままゴルフ場の会場費と思ってください。というか、コスパ良すぎでしょ。
帰り道、車の中でふと思いました。「これ雨だったら、どえらいことになってたな…….」
試走の時に撮影したコースと、C1のレースを合体した動画を撮影してみました。合わせて1周分です。
関西シクロクロスが始まったのが、1995年。自分が初めて参加したのが2007年。C3、C2、CM3、CM2、CM1と5カテゴリーを経験してきましたが、間違いありません。このコース、関西シクロクロス史上ナンバーワンです。
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