自転車の買い方は、大きく分けて3つあります。
- 完成車買い
自転車メーカーがフレームをつくり、シマノを始めとするパーツメーカーのホイールやハンドル、サドル、タイヤ等を選んで組みつけて、「はいこれ、xx,000円也」という中から選びます。用途や予算に合わせて、多くの種類が用意されています。コレがもっとも一般的で、ほとんどのケースはこれに当たるかと思います。 - フレーム買い
自転車メーカーがフレーム単品で販売しているものを購入し、自分の好きなホイールやハンドル、サドル、タイヤ等を選んで、組み付ける。既にフレームには色が塗られている場合もありますし、色だけ自分の好きなようにオーダーできるものもあります。
ショップで組みつけてもらう場合と、自分でも組み付ける場合があります。 - オーダー
理想とも言えるのが、フレームのパイプやスケルトン(各パイプの角度や長さ)をライダー自身の体型、走り方にあわせて、オーダーメイドで作り上げるという方法です。カラーや小物(キャリアのダボ)なども思いのままに作り上げることが可能となります。
ショップで組みつけてもらう場合と、自分でも組み付ける場合があります。
今回私が注文したのは、国内で超メジャーなフレームビルダーの一角を担う、大阪の「東洋フレーム」 先日シクロクロスの全日本チャンピオンに5年連続で輝いた、竹之内悠選手が使用していることで知られています。古くは海外ブランド(スペシャライズドやリッチー、GT)のOEMを生産行なっていることから、海外でも人気の高いブランドです。日本でも「テスタッチ」というブランドが知られておりますが、あれは東京の自転車問屋「東京サンエス」さんが東洋フレームに生産を委託したOEMモデルとなります。
私がそのテスタッチのクロモリロードフレームを購入したのが、約10年前。最初のパーツは105(5600シリーズ)で組み付け、その後アルテグラ(6700シリーズ)に変更、ホイールは3代目となり、ハンドルやサドルも何度か変更しつつ、楽しんでおりました。その間の走行距離は約6万キロ。
しかし時代はリア11段変速、そして電動変速(Di2)が中~上級グレードの定番。私のバイクはといえば、未だリア10段で、塗装は傷み、傷も数知れず。丁度10年乗ったことだし、奮起して新車を組み上げることにしました。
私の場合、最近は草レースで走ることもやめて、好きなところを好きなだけ走って、適当に気が向いたところで休むというスタイルが定着してきております。
そこで選んだのがその「東洋フレーム」 現行のテスタッチのスケルトン(Sサイズ)を元に変更したいところをあげていくと、東洋フレームの「カーボンクロモリハイブリッドロード」のMサイズがピッタリでした。トップチューブの5ミリやシート角の0.5度の角度にこだわるほどシビアな性格でもありませんので、ステムやピラーの調整でなんとかなるところまでは細かく意見しません。
このフレームは、トップチューブとダウンチューブ、フロントフォークにグラファイトデザイン製のカーボンパイプを使用しており、それ以外をクロモリパイプで溶接した、東洋フレームの最新モデルです。トップチューブとダウンチューブをカーボンにすることで、オールクロモリに比べて約400gの軽量化となっております。
- インナーバテッド カーボンチューブ
カーボンクロモリハイブリッドロードは特別なカーボンチューブを使用しています。
大阪府柏原市にある東洋の工場兼事務所で、カラーと名前入れ、ちょっとしたオプションを決定。あとは3ヵ月後の納品を待つばかり。
その間、続々とパーツが届きます。フレームとパーツが組みつけた姿を想像して、ひたすら待つこの時間がたまりません。Di2のパーツをコードで繋ぐと、子供の頃に遊んだ有線式ラジコンのようで面白いですね。
11月末、ようやくフレームが到着。ホイール・ペダル・シートポスト・ステムは比較的最近購入したものですので、現在のロードから移植します。
規格が乱立しているBBですが、東洋では昔ながらのねじ切りタイプを採用。採用基準は常に、「精度」です。是非これを読んでいただきたい。
- フレームの辻褄
スチールフレームの意外なメリットとして、「フレームの精度が出しやすい」というものがある。 - 精度
TOYOのフレームが良く進み、長い距離を乗っても疲れないのには理由が有ります。それは自転車(フレーム)の精度です。 - 溶接フレーム
外径、バデッド(厚み)はもちろん、熱処理の有無から鋼の化学成分比率などチューブの種類は多種多様。
フレームの精度が良いかどうか分かりやすみわけ方は、エンド幅がピッタリかどうかと、センターのきちんと出たホイールが、フロントフォークとバックフォーク(シートステー+チェーンステー)の真ん中に一発でピッタリはまるかどうかです。高価なカーボンフレームでも、意外とそれが出ていないものって、多いんですよ。
Di2の組みつけの面白いところは、まず最初にコードを通すところです。Di2内蔵専用フレームですので、コードがフレームの外を通るのはハンドルとディレイラーの近辺のみと最小限です。
中継地点となる「ジャンクションB」に接続。接続口が4つ付いているだけで、どこに何を差し込んでもかまいません。この時点で変速レバー、前後ディレイラー、バッテリーを接続し、動けば問題なし。念のためジャンクションBと接続口の周りをビニールテープでぐるぐる巻きにして、シートチューブ内に押し込みます。
ねじ切りBBでDi2を内蔵するときの唯一の難点が、「狭くてやりにくい」ところなのですが、東洋ではBB真下に窓を開けることで、これを解決。あとでこの窓にはカーボン製のフタをします。
BBを取り付けたら、もうジャンクションB周辺は触ることが出来ません。シマノのホローテック2のBBワンは、9000/6800シリーズから一回り小さくなっているので、BBシェルの直径とほぼツライチになります。
逆にマッチョなカーボンフレームだと、BBシェルの断面が大きすぎて、見た目的には残念になります。
今回ジャンクションA(SM-EW90-A)ではなく、XTRのDi2システムインフォメーションディスプレイ(SC-M9050)にしてみました。
SM-EW90-Aの場合、バッテリーの残量表示が
- 緑点灯(2秒間)…電池残量100%
- 緑点滅(5回)…電池残量50%
- 赤点灯(2秒間)…電池残量25%
- 赤点滅(5回)…電池残量なし
となっています。私こんなの覚えられません。ですがXTRの場合、バッテリー残量は分かりやすい5段階表示で一目瞭然。しかも前後のギアポジションも表示してくれます。この2択だったら迷うべくもありませんよね。
ただし注意点は、2つ
- ハンドル上にスペースが必要。
- 右側にしか取り付けられないので、左シフトレバーからのコードが長くなり、右シフトレバーからのコードは短くなります。短くなるのは調整できるとして、伸ばすことは出来ません。あらかじめ左コード用に5cm長いのを選んでください。既にDi2を使用しており交換するには、コードの交換が必須です。
ハンドルの左側にしか付けられないことを潔しとしないレックマウントからは、ステムのハンドルクランプボルトに共締めするアダプター(Di2-M9050 シマノ XTR Di2 システムインフォメーションディスプレイ用マウント )が発売されました。
ただしこれ、私のステムには相性が良くなく、思ったほどスッキリと取り付けられませんでした。
かなりステムの上に飛び出してしまうのと、コードの圧力で斜めを向いてしまうのです。ステム次第でしょうね。
あとはパーツをくっつけて、調整すれば出来上がり。見た目的にはもうちょっとサドルを上げるとかっこいいのでしょうが、私にはこれが限界。この状態で、BBの中心からサドルの上面までは645mmとなります。
輪行マイスターとして是非取り付けたかったのが、これ、「チェーンフック」
輪行のときにチェーンがたるまないように、チェーンをエンド金具に通したり、輪ゴムでブレーキに引っ掛けたりといろいろ工夫しますが、ツーリングバイクの場合は右シートステーにダボを取り付けるのが、昔からの定番ワザ。コレがあるかないかで、輪行が20秒は速くなりますよ。
クロモリ部分には、全て下地処理としてメッキ加工を施しています。ホイールの着脱で塗装面がぼろぼろになることもありません。
もう一つがこのメッキ処理を施した、キャットアイ専用リフレクターバンド。 道路交通法では夜間はテールライトもしくは赤色反射板を取り付けなければいけません。もちろんテールライトも常に装着しますが、たとえそれがオートライトだったとしても、つい付け忘れたりしてしまいます。そうならないように、絶対確実なリフレクターをスマートに付けたかったからです。
ハンドルは私が初代のモデルから使用している「ワンバイエス」の最新作、
ハンドルを快適にするために、ココまで細かな工夫が詰め込んだものがあったでしょうか。リーチが短くドロップが浅いといった単純なことだけではありません。どこを握ってもブレーキとシフト操作がしやすいので、一度使うともう他のドロップハンドルは使えなくなります。
キャットアイのスピードセンサーはチェーンステーの下側に取り付け。万が一車輪に巻き込むことがなくなります。
もちろん「大阪府の防犯登録済み」です。
サドルは3個目となるフィジークのアリオネ。私もいろいろサドルを試しておりますが、上面がほぼフラットなサドルが最もしっくりします。
新型の溝付きシリーズ「バーサス」も試してみたかったのですが、現状のフラットなアリオネになんら不満がなく、しかもフレームカラーにピッタリな白黒が発売されていましたから、もうコレを選ばない手はありません。
なるべく国産パーツを集めたかったのですが、ボトルケージはエリートの「MOREO INOX ボトルケージ ブラックプレート」 細目が好みです。斜め横からも出し入れしやすいクラシックなデザインです。
輪行することが多いので、歩きやすいシューズが使えるようにとペダルはマウンテンバイクやシクロクロス用のSPDを継続使用。
キャットアイのケイデンス(ペダル回転数)を計測するためのマグネットは、ペダル軸の裏がベストポジションです。
タイヤはパンクに強いパナレーサーの
- RACE D EVO3 (Duro) 700x25c
今年の最新モデルですが、昨年発売された「グラベルキング 700C(622) 700x26c」とどちらがパンクに強いのかという質問が多いようです。答えはズバリ、RACE D EVO3 (Duro) です。パンク防止のフィルムがこちらは2枚、グラベルキングは1枚です。
また、グラベルキングはトレッドが新円ですが、Race D EVO3はトレッド中央がすこし盛り上がっています。コーナーリングでバイクを倒した時の感覚が、少し違いますね。
いつものコースを走ってみました。ギアの歯数は同じ、ホイールも同じですが、タイヤ・チェーン・ギアも新品なので、フレームだけの特性って感じ取れるのかどうか自身がありませんでしたが、分かるものですね。
車体が約500g軽くなったので、当然ながら踏み出しが軽い。そしてフォークががっちりしたのか、しなやかになったのか、下側のヘッドパーツが1.5インチと一回り大きくなったのが原因がどうかは定かではありませんが、路面からの衝撃がマイルドです。フロントxセンターが10mm長くなったのが原因かどうかはわかりませんが、実によく曲がります。下りのコーナーでブレーキの力の入れ具合が半分くらいでも、危なげなく回ってくれます。
比較対象が10年前のフレームですからね、そりゃやっぱり凄い進化ですよ。Di2も素晴らしいですよ。何度かブレーキレバーを強く内側に倒そうとしてしまいましたが、脚の力を全く抜かなくても、登りでもゴリゴリ力強く変速してくれます。
ブレーキの効き具合もたまりません。引きも軽~く、すい~っと減速してくれます。あまり褒めすぎるとうそ臭くなるかもしれませんが、そうなりますよね。
10年スパンで乗り込みたいですね。
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