関西シクロクロスにエントリーするようになって、10数年ちょっと。最初の2年は中級グレードのクロスバイクにシクロクロス用タイヤをつけて走っていましたが、やっぱりちゃんとしたのが欲しくなりますよね。「テスタッチ」というブランドのシクロクロスバイクを購入し、10年ちょっと使ってきました。
「テスタッチ」というのは、1927年に東京で自転車卸業を創業した「東京サンエス」という会社のオリジナルバイクブランドです。製造は大阪の「東洋フレーム」が行っております。すでに新商品の開発は行っておりませんので、サンエスさんの倉庫に残っている在庫限りとなります。サンエスさんが現在力を入れているのが、パーツだと「DIXNA(ディズナ)」や「GRUNGE(グランジ)」、「VIVA(ビバ)」など。フレームは「OnebyESU(ワンバイエス)」です。いずれも欧米人の体格に合わせて作られたブランドが多い中、日本人の体格に合わせた製品づくり「ジャパニーズフィット製品」の開発を展開しています。
5年ほど前からは、40歳以上のマスターズカテゴリーCM3とCM2を行ったり来たり。表彰台にも数回立つことができました。
しかしここ数年、スタートラインにつくと周りのバイクはディスクブレーキ率がぐんぐんと上昇。クロモリフレームが多めなのは関西シクロクロスの特徴ではありますが、さすがに10年近く使っていると、最新スペックのシクロクロスバイクが欲しくなります。で、購入。テスタッチの次に買うバイクですので、そこは必然と「OnebyESU(ワンバイエス)」に決まり。
シクロクロスバイクというと、ロードバイクと何が違うの?と思わる方も多いと思います。ついでにグラベルバイクとも比較して、表にまとめてみました。ロードバイクとシクロクロスは、世界的にレースが行われているので、厳密なルールがあります。グラベルバイクはレースではなくスタイルなので、画一的にコレという決まりはありません。
シクロクロスバイク | グラベルバイク | ロードバイク | |
成り立ち | ヨーロッパのロード選手の冬のトレーニング | サブカルチャー バイクパッキングと似ている。髭とタトゥーとキャップ | ヨーロッパ |
フレーム | クロモリ・アルミ・カーボン | クロモリ・アルミ・カーボン | クロモリ・アルミ・カーボン |
ブレーキ | ディスクブレーキ・カンチブレーキ | ディスクブレーキ・カンチブレーキ | ディスクブレーキ・キャリパーブレーキ |
タイヤの幅 | 33mm以下 | 約30mm~48mm | 23~25mm |
ダボの有無 | 使わないので少なめ | とにかく多い | ダウンチューブとシートチューブの2か所 |
ジオメトリー | リアセンター長め・BB高め | リアセンター長め・BB高め | リアセンター短め・BB低め |
ギア | 1×11/12・2×11/12 | 1×11/12・2×11/12 | 2×11/12 |
フロントサスペンション | なし | たまにあり | なし |
異論反論あるかもしれませんが、わかりやすくおおざっぱに言うとこんな感じでしょうか。
2020モデルを見てみると、各社グラベルバイクの完成車をラインナップしているところが増えました。GRXで20~30万円といたところ。シクロクロスとなると、完成車はほとんどありません。海外メーカーのフレーム売りから選んだり、国内のフレームメーカーにオーダーすることになります。
ワンバイエスから選んだのが、コレ。「#805Z」というモデル。アルミフレーム+カーボンフォーク。スルーアクスルのディスクブレーキ専用モデルです。フレーム重量は1.3kg(M)でカラーはオーダーしました。フォークとセットで138,000円(税別)です。
タイヤはシクロクロス用のブロックパターンのタイヤではなく、普段走りもできるように「パナレーサーのグラベルキング32c」を履かしてみました。マビックのオープンプロディスクのリムに簡単にはまりましたよ。後輪は最初からエア漏れしませんでしたが、前輪はエア漏れが収まるまで3日ほどかかりました。バルブの根元から漏れていたようです。
フロントギアは、今風というだけでフロントシングルにしてみました。コンポーネントはシマノのグラベルバイク用の新ジャンル「GRX」GRXのフロントシングルの場合、フロントもリアのローギアも40tと42tの2択です。オンロードでのスピードを重視して42x40にするか、激坂を重視して40x42するか迷いましたが、せっかくのグラベルバイクでオンロードの平地の速度を意識するのも変ですし、シクロクロスのレースの激坂は押した方が速いので、見た目コンパクトで多少軽そうな40x40にしてみました。
ディスクローターも140mmと160mmの2択です。効きは大差ないと思ったので、コンパクトで軽そうな140mmをチョイス。105のローターよりフィン付きの方がかっこよいと思ったので、アルテグラをチョイス。
GRXのコンポ(11s)はアルテグラグレードのRX810/812と105グレードのRX600がありますが、目立つSTIレバーとリアメカはRX810/RX812、クランクとキャリパーはRX600/RX400を選びました。理由は単純に価格を抑えるためです。トータルで、35万円くらいになるかと思います。(リア10段のGRXで、RX400シリーズもあります。)
さて、走りに行きましょうか。今私が乗っている東洋フレームのロードバイクとジオメトリーを比較するとこうなります。
- シートアングルが1度立っている。
- トップチューブ長が20mm短い
- リアセンターが20mm長い
- フォークオフセットが5mm大きい。
- フロントセンターは同じ
- BBが5mm高い。
BBが5mm高くてタイヤが太い分、地面からサドルの高さも大きくなります。サドルからペダルまでの距離は同じでも、脚が地面にぎりぎりです。ちょうど台風明けだったので、道路には木々が散乱しています。ゴルフ場に行く車と地元の方しか通らない、舗装状況も悪めの田舎道です。空気圧は3.5barと3.2barを試してみましたが、体重58kgの私には3.2barかもっと低めでもよさそうでした。シクロクロスのレースになると、1.6~1.8barくらいでしょうし。
霧の中、大阪府と兵庫県の境にある妙見山というところに行ってきました。路面は濡れていますが、ディスクブレーキはへっちゃらですよね。タイヤのグリップとバイクの倒し具合に注意して、下ハンを持たなくてもあまりにもあっさり楽に下ることができました。GRXのレバーが大きいだけがちょっと惜しいですね。Di2にすれば多少ましなのでしょうが、油圧ブレーキのSTIレバーの小型化がさらに進んでほしいですね。コーナーリングの感覚は、東洋フレームよりもちゃんとバイクを倒さないと曲がらないぞという印象です。
一緒にシューズを新調しました。ほぼほぼ色買いですね。フィジークの「X4 TERRA パワーストラップ」というモデルです。ぎゅうぎゅう締め付けるシューズは好みではないので、アッパーが柔らかいこのモデルのSPDモデルが出るのを待っていました。SPD対応ですが、クリート付近のソールの厚みと、つま先のソールの厚みの落差が大きいので、階段の上り下りの時などちょっと癖があります。
グラベルバイクったって、日本にはそんな未舗装路がないから流行らないなんて言う人がいますが、そんなの関係ないと思いますよ。ジムニーだからってオフロードを走らないとダメなんてことは無いですし、マッチョなオフロードスタイルがかっこいいってだけで、十分手に入れる価値はあると思います。長~い平地を走る分には、ロードバイクよりはスピードは伸びませんが、日本の低山を登ったり下ったり、ちょっと見つけた細いわき道を探索するには、ピッタリだと思います。好きなペースで走れるソロライドか、脚のそろった少人数のグループライドが合うのでしょうね。
全国のシクロクロスレースの日程は、こちら
AJOCC(アジョック) 一般社団法人日本シクロクロス競技主催者協会
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