今年も全国各地でシクロクロスシーズンが始まりました。シクロクロスとは、ロードバイクにブロックタイヤをはかせて、ダートコースで行うクリテリウム(周回)形式のレースのこと。ロード選手が冬場のトレーニングと、短時間で強度の高い練習にと始めたのがきっかけといわれております。カテゴリー(クラス)が上から、C1,C2,C3,C4、40歳以上はCM1,CM2,CM3,CM4,さらに女子やキッズカテゴリーにも細かく分類されている為、自分の経験・体力に合わせてエントリーができます。転倒シーンや泥まみれの写真が好んで露出されるので、危ないと思われがちですが、そもそもロードバイクほどスピード域が速くないのと、土や芝生の上で転ぶ方がロードレースの下りや集団落車に比べるとはるかに怪我の程度は軽く済むため、実際はそんなことないんですよ。
全国共通カテゴリーを採用している為、優勝もしくは2位に入ると、上のクラスに昇格となります。また、シーズン中に一定の基準をクリアできないと、次のシーズンは降格となります。違う地域の主催者が異なるシクロクロスに参加しても、カテゴリーは維持されます。主催者によってカテゴリーの基準も名称もばらばらなロードレースより、明確です。
C1カテゴリーは60分のレースとなっており、毎年開催される全日本選手権に優勝すると、その後約1年間は全日本チャンピオンジャージを着ることができます。世界選手権も開催されており、優勝者はその後約1年間「アルカンシェルジャージ」を着用することができるのです。
ロードレース程スピードが速くないのと、周回コースで何度も選手の走りを見ることができることから、応援や観戦しに来るだけでも楽しいレースとなっており、日本でも冬場の自転車競技としてすっかり定着した感がありますね。
全国各地のシクロクロス情報は、こちらで集約されています。
一般社団法人 日本シクロクロス競技主催者協会(通称AJOCC/アジョック)
さて、今回参加したのは、関西シクロクロスの第2戦。京都は日吉ダムで有名な、スチールの森-京都(府民の森-ひよし)です。
私自身2年ぶりとなる関西シクロクロス。日吉ダムは我が家から最も近い会場でもあるため、何度も来たことのある勝手知ったるコースの一つ。会場は7時からゲートオープン、試走は8時10分からということで、8時5分前に会場に到着。
駐車場に車を止めたら、まずは受付。エントリー数の多いカテゴリーは、AクラスとBクラスにランダムに分割されます。私は40歳以上のマスタークラスのCM3にエントリー。この日はBに分けられており、スタート時間は10時15分。スタートリストは数日前にウェブにアップされますが、当日確認する場合はこのコミュケボードを見ればわかります。
受付でCM3の112番岩田ですと大きな声をかけると、手慣れた京都車連のお姉さま方が手早くゼッケンを手渡してくれます。 たまに安全ピンが不足しているときもありますので、受け取ったらすぐに安全ピンに不足がないかチェックしておきましょう。
一旦車に戻ってバイクを組み立て、ヘルメットとグローブを着用したら早速試走開始。 クリンチャータイヤの空気圧は2気圧にセット。スペアホイールを用意していない私は絶対にパンクしたくありません。チューブラータイヤだと1気圧以下にセットする選手もいますが、私は高め高めです。芝生の下の石ころは予告なくパンクしますので、注意も何もできません。
試走時間は8時55分までの45分間とたっぷりあります。数年前に比べると、関西シクロクロスのコースの難易度は少しやさしめに設定されているように思います。以前は土手の激登りや激下りがありましたが、下りは少しがれたところが一か所あるくらい。路面状況は芝生がメインで、あとは舗装路・小石のがれば・鹿のふんと泥と芝生がかき回されたねっとりスリッピーな泥が交互にやってきます。無数にコーナーがあるので、イン側が走りやすいところ、アウト側のほうが走りやすいところ、数か所あるグレーチングを斜めに横切るところなどをチェックチェック。
スタート20分前。汗に濡れたインナーを着替えて、勝負ジャージに着替えます。最後のトイレで軽量化を済ませれば、スタート位置で集中集中。
CM3Bは、C4Bの時間差スタート。さらにその数分後には、女性カテゴリーCL2がスタートします。
スタートしました。落ち着いてクリートをキャッチしたら、前方の隙間があれば前へ前へ突き刺すように進んでいきます。ここでおじけづくと、前に出ることは不可能。1/3ほど走ると、トップの選手が見えました。10人くらいずら~っと走っている最後につくことができました。よし、このままついていって、一人づつ交わしていけば、まずまずの位置にはつけそうです。
今年の私が今までとは違うのは、昨年堂城賢氏の「やまめの学校」を受講したこと。これにより私のバイクの乗り方は180度変わりました。これまで苦手だったヌチャヌチャな泥、タイトなコーナー、体力の衰えを補うように、いい感じでクリアすることができています。
今年の2月に開催した、やまめの学校inワールドサイクルですが、来年2月11日にも開催が決定しました。エントリーは12月に入ってからとなります。今年の例ですと、わずか数日で満席となりました。
2周目~3周目の間に、二人ほど抜かされ、6人ほど抜いたでしょうか。3周目くらいに「マスター6位」って掛け声が聞こえました。同じカテゴリーの前を走るライダーはなかなか見えませんが、C4の選手を一人づつ追い抜かしていきます。最終周回4周目に入ったときはおそらく4~5番目くらいだったと思います。
ここで入賞目前と色気を出して、やっちまいました。途中アスファルトの下りコーナーがあるのですが、それまでは必ず前後に選手がいたので無難に走っていたところ、最終周回だけ前後に誰もいなかったので思いっきりバイクを倒してイン側に入ったんです。その瞬間、前輪の摩擦が一気になくなり、右側から地面に叩きつけられました。おそらく前輪に泥がついたままで、それでグリップを失ってしまったんでしょうね。ふらふらっと立ち上がると、横に向いていたハンドルを戻したら走れそうだったので、やれやれと再開。まだドーパミンが大放出されていて、体は痛くないんですよね。転んでいる間に二人くらい抜かされたような気がしましたが、走り出すと一人発見。何とかついて行って、ラストゴール前で大逆転を夢見て走りましたが、2秒差でかなわず。
後になってみれば、上位3名が抜け出しており、あの時無理したって絶対に追いつけないくらいのタイム差でした。
ゴール後すぐにトイレで傷をチェックして、水洗い。右ひじ、右肩、右ひざ、右のお尻、ヘルメット、ジャージの首のあたりと盛大に破れ、一皮むけてまっ赤っ赤。それでもまだ出続けるドーパミンのおかげでそれほど体は痛くありません。車に戻って着替えて、ゼッケンを受付に返却しようとしたところ、救護テントで応急処置をしていただきました。天使のような救護室のお姉さまの前でパンツ1枚になって、ワセリンとガーゼを塗っていただくことに。本当にありがとうございます。
脱いだジャージを見てみると、こんな状態。ひよこちゃんジャージ、まだ数回しか着てないのに・・・・ ヘルメットもまだ半年も使ってないのに・・・・私の代わりに犠牲になってくれました。南無阿弥陀仏・・・サラリーマンとしては、趣味の自転車で怪我をして、仕事や家庭生活に悪影響を与えるわけにはいきません。帰宅すると早速バイクの洗車です。
ついでに車の中にも泥が入り込んでいるので、掃除機で掃除しておきましょう。家庭円満の秘訣です。特にけがをして帰ったときには・・・・・
泥のついたウェアーも、バケツで泥を落として、洗濯機で回しておけば、完璧。
そしてだんだん痛くなる体・・・ 骨が折れたりしてなくて、良かった・・・・・
今回一人で参加したため、レース中の写真が撮れていません。それでもこのブログには自分が走っている写真が。シクロクロスの素晴らしいところは、応援で撮影されている方が、知り合い以外もたくさん撮影してくれいて、SNSに大量に写真をアップしてくれているのです。今回もそんな中から自分の写真を探しだし、お礼のコメントを一言入れて、写真をいただきました。これも、スピードが遅くて観戦ポイントが無数にある、シクロクロスレースのいいところですね。
翌日やまめの学校の堂城さんと講座の件で電話していたら、
泥がついたタイヤでアスファルトをコーナリングするときの走り方があるんですよ
と、超絶気になるコメントをいただきました。続きは、2017年2月の「やまめの学校inワールドサイクル」で。
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