2013年10月28日、2013-14シーズンの関西シクロクロスが始まりました。第1戦の会場は滋賀県マキノ高原スキー場です。
先日、ある自転車乗りに聞かれました。
「シクロクロスって何が楽しいの?」
私はこう答えました。
「短時間のうちに自分の体力の限界まで追い込めるところ。」
そういうのを世間では、「ドM」 というのでしょうね。他人の目などはどうでもいいことで、同じように思っている自転車のりが毎週毎週こうして集まってドMなシクロクロスレースに勤しんでいるのです。
オフロードを走るということで、「危険?」 と思われているかも知れませんが、それは全く誤解です。それをいうならロードレースのほうがよっぽど落車の確立が高く、危険です。だってシクロクロスってそんなにスピード出ませんよ。路面はやわらかい泥だったり、砂利だったり、砂だったり、でこぼこの草原だったり。スピード出そうと思っても出るものじゃあありません。
転んだって、硬いアスファルトのほうがよっぽど危険です。泥や砂では擦りむく程度です。ロードレースの場合はかなりの確立で救急車のサイレンを聞きますが、シクロクロスレースでそんなことはめったにありません。というか、ほとんどありませんよ。レースは見た目によらぬもの、です。
さて、まず会場に着いたら最初にすることは、ズバリ受付。ゼッケンをもらいます。
ですがその前に、ゼッケン番号を確認しておきましょう。関西シクロクロスの場合、事前に公式ブログで確認することが出来ます。見れなかったとしても、会場にあるコミュニケボードをみればすぐにわかります。
今回の受付はテントではなく、スキー場の食堂でした。テントだとスタッフの方も寒そうですが、ここは快適です。ゼッケンを背中の右左、どちらにつけるのかもここで確認しておいてください。左側に付ける場合がほとんどですが、コースレイアウトによっては右側の場合もありますので、ここは注意が必要です。
ゼッケン番号は、カテゴリーごとに「あいうえお順」です。今回私は、カテゴリー2(C2)の9番でした。名前が「イワタ」ですから、いつも大抵一桁のいい番号です。前回の順位とは全く関係ありません。
今シーズンのカテゴリー2は、午後2時45分スタートです。この日はお昼12時過ぎに会場について、受付を済ませ、試走を行いました。試走するときは必ずヘルメットを被ってくださいね。
12時35分からは最上位クラスのカテゴリー1(C1)がスタートしました。日本トップクラスの超速い走りを間近で見ることが出来ます。
中井路雅選手の華麗なるシケイン越え。見事です。シケインというのは自転車から乗車しなければ超えられないような人工的な障害物のこと。シクロクロスのルールで、コース上このようなシケインを数箇所設けなければいけません。ただし、シケインは人工的でなくても、もともとそこにある階段とか、超激坂とか、そういったものでもかまいません。
トップグループの後はこんな団子状態。前の選手の後輪でド突かれないように、間合いには注意してください。
今回はシケインの手前が長いストレートで、しかもやや下り。ついついシケインの手前過ぎるところから降車して7~8歩走る選手がいましたが、無駄に疲れて体力を消耗します。如何にスピードを殺さず、最小の動きでシケインを越えられるかどうかも、見所です。
コース上にはこんな激下りも。このあとすぐ折り返して、同じ程度の激坂を上ります。気張って乗車してクリアするか、さっさと降車して押しあがるかも、重要な判断です。カテゴリー1の上位陣のほとんどは、乗車してクリアしていました。
ちなみにこんな下りでもあまりブレーキには頼りません。ブレーキを使いすぎるとタイヤがスリップしたりします。オフロードですから、どうせ下りきったら自然にスピードは落ちます。勢いに任せてあまりブレーキを使わず下るほうが、安全です。
カテゴリー1のレースは、60分。トップの選手は1周約7分弱のペースで、8周走りました。
晴れの舞台、表彰式。
続いて、40歳以上の最上位クラス、マスター1(M1)がスタート。ヘルメットにぬいぐるみをつけているのは、通称「巨匠」、もしくは「にょろにょろ」さん。人気ライダーでひときわ大きな声援がかかります。
M1のレースを応援しながら、私はそろそろウォーミングアップを開始。周辺道路を走りに行ってもいいのですが、寒かったり信号で引っかかったりとなかなか効率よく出来ません。レース前はやっぱりローラー台ですよね。
シクロクロスのタイヤの場合、ロードバイクの700cのタイヤよりも直径が大きいので、固定ローラー台には使用できません。そのため、ロードバイクのホイールを持ってきています。
ちなみに、ローラー台は固定タイプと3本ローラータイプがあります。ロードレースの場合は半々くらいかやや固定ローラー台を使う方のほうが多いと思いますが、シクロクロスの場合は圧倒的に固定ローラーが多いですね。きちんと水平に設置しないといけない3本ローラーは、舗装されていない駐車場では使いにくいですから。
のどかな雰囲気でしっかり身体を温めます。少なくとも20~30分くらいはかかて、じっくりと身体の各部をならしていってください。
シクロクロスレースの場合、コースの途中の定められた場所に、「ピット」というのが設けられています。レース中パンクやメカトラで走行不能になった場合、ここにスペアバイクやスペアホイールを置いておきます。また、仲間にピットクルーをしてもらうことも出来ます。
さて、いよいよカテゴリー2がスタート。
シケインで降車した場合、その後速やかに乗車しなければいけません。ここが上手いか下手かで、順位がかなり変わってきます。
重要となるのが、この「飛び乗り」テクニック。シクロクロスならではの必須スキルです。急所をヒットしないように思い切って飛び乗りましょう。チェーンのゆがみ具合からも、相当力はいっています。
台風が過ぎ去った後の、なんと気持ちの良い天気でしょう。冬はスキー場として多くの人を集めるマキノ高原スキー場のゲレンデ一杯に広がったコースを、力の限り走ります。
走っている最中はお腹が痛くなったり、心臓が苦しくなったり、なんでこんな苦しいことしてるんだろうと思うこともしばしばありますが、いつも最後は、もっと追い込めなかったのか、自分!ってなります。
体力に合わせてカテゴリーが細かく分かれているので、レース終盤まで名も知らぬライバルたちとバトル。抜きつ抜かれつの接戦。シクロクロスレースには非日常体験が詰まっています。
ラスト5周目のシケインをジャンプする私。後ろの選手が迫っていたので、あせってこんなに高くジャンプしてしまっています。はっきり行って、無駄に高くて体力を消耗するジャンプですね。
シクロクロスレースは体力に合わせて細かくカテゴリーが分かれているとご紹介しましたが、成績が良いと次のレースから上のクラスに昇格し、成績が悪いと次のシーズンから降格されます。
上位争いを出来るような選手は昇格を狙い、中盤以降の選手は降格にならないようにそれはそれは必死です。
その恐ろしい降格の目にあわないためには、全10戦中、2/3以上(65%以上)の順位で3回以上ゴールすることというものです。
今回私は49人中28位なので、順位%は58%。まずは1回目の残留基準をクリア。あと2回ですね。今回は1周8分ちょっとかかりましたので、優勝タイムと比べると1周で1分以上遅いことになります。たっぷりと遅いのは当たり前なのですが、トップカテゴリーと自分を同じ条件で比較できるのも、シクロクロスの面白いところだと思います。
レースが終われば、最初に紹介したコミュニケボードに速やかに成績が張り出されます。それに一喜一憂しつつも、ゼッケンを返却しにいきましょう。
シクロクロスレースの場合、シーズン戦です。ゼッケンは使い捨てではなく毎シーズン同じものを使いますので、必ず返却してから帰ってくださいね。
万が一ゼッケンの返却を忘れた場合は、後日でも主催者に郵送で返却してください。
また、受付にはそれまでのレースの忘れ物なども保管してあったりします。心当たりのある方は、覗いてみると良いでしょう。
関西シクロクロスのオフィシャルグッズなども販売しています。
すべてのレースが終了すると、スタッフが迅速にコースを解体していました。素敵なレースをありがとう。
午後4時30分くらいにゴールしましたが、さっさと片付けて4時55分くらいには会場を後にしました。
マキノ高原へ続く道といえば、このメタセコイア並木が有名ですね。冬になると真っ白な雪が降り積もり、それはそれは幻想的な風景になるんです。
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