昨年(2015年)のサイクルモードで初披露されたワンバイエスの新型ステム「スージーステム(別名にゃんこステム)」。その時点で入荷は来年春以降といわれており、ワールドサイクルで商品を掲載したのが今年の4月。その時点で入荷予定が6~8月頃に伸びていたにも関わらず、毎月約10本はご予約が増えていっておりました。結局入荷したのは9月だったのですが、初回入荷分はもちろん予約で完売。2回目の入荷が10月で、11月末になってようやく落ち着きました。もちろんこんなに人気のあるステムは、22年間自転車屋をしている私にとっても初めてです。一体どんだけすごいのか? 自分のバイクに取り付けてみました。
まず現在使用しているこちらと比較してみましょう。
ディズナ V-シェイプ(新ロゴ) ステム 31.8mm 73°
どちらも突き出しは120mm、重量はVステムが150g、スージーステムが162g。見た目もスージーステムのほうが少し太めですから、この違いはほぼ予想通り。
真上から見たときの横幅は、Vステムが31mm、スージーステムが34mmです。クロモリフレームだと、トップチューブよりスージーステムのほうが太くなります。スージーステムは艶消しボディ、Vステムは艶があります。仕上げ具合はVステムのほうが綺麗です。スージーステムはハンドル固定ボルトのお尻が隠れていて、すっきりしています。
Vステムの前に使用していた、ディズナのリッジラインカーボンステムも加えて、3つのモデルで比較してみましょう。
ベースとなるロードバイク(TOYO ハイブリッド)は、シートチューブ(芯ー芯)が480mm、ヘッドアングルが72度、トップチューブ長が530mmで、トップチューブの角度は約7度のスローピングとなります。
(上)ディズナ リッジラインカーボンステム
アルミに化粧カーボンを巻いてあります。角度が84度なので、ステムは12度前上り。トップチューブの角度より、さらに上向きです。
(下左)ディズナ Vステム
角度が73度なので、ステムは1度前上り、ほぼ水平です。7.5mmのスペーサーをステムの下側に入れています。Vステムには角度73度ものと、角度84度ものがありますので、ご注意ください。
(下右)ワンバイエス スージーステム
角度が77度なので、ステムは5度前上り。スローピングしたトップチューブとほぼ同じです。ディズナのVステムよりコラムハイトが8mm低いので、そのままだとコラムがステムの上に突き出てしまいます。コラムスペーサーを15mmに変更しました。
ステムを変えるときに「角度」と「突き出し」ばかり気にする方が多いかと思いますが、実は「コラムハイト」も重要です。コラムハイトが低いものに変えると、それだけでハンドルの位置が高くなりますが、余った分のコラムにスペーサーを足さなければいけません。カタログにコラムハイトはカタログに記載されていない場合が多いので、実際に取り付けるときには、コラムスペーサーには予備があると便利です。
トップキャップを取り付ける前の状態で、ステムの上面よりコラムの上面が3~5mmほど余裕が必要です。トップキャップの固定ボルトでヘッドパーツにガタのない、スムーズに回転するところまで圧力をかけます。その時ステムの上面とコラムの上面に差が無いと、圧力がかけられません。
私はステムよりコラムが上に突き出しているのは好みではないため、ここは一旦コラムスペーサーを15mmに取り換えて様子を見ます。最終的にハンドルの高さを見て、コラムスペーサーで調整するのか、コラムをカットするのかを考えたいと思います。
スージーステムの取り付けが完了しました。ハンドルクランプ部分がステムの上面とツライチなのが、よくわかります。そしてハンドルクランプボルトの先が完全にステム内に収まるので、見た目が非常にスマートです。ロゴも見る角度と光の当たり方で、見えにくくなったり、よく見えたりします。
ステムの上面がスピードメーター、シマノDi2のインフォメーションディスプレイともほぼツライチになりました。
今ついているステムからスージーステムに変えた場合、ハンドルが高くなるのか低くなるのか、算数が苦手な私にはちんぷんかんぷん。今回73度/突出120mm/コラムハイト43mmのVステムから取り換えましたが、コラムスペーサーをそのままで取り付ければ、ハンドルの高さは、2.5mm低くなりました。計算するとしたら、これらの3項目を考慮してください。
- コラムハイトとコラムスペーサー
- 突き出し
- 角度とスージーステムのオフセット(7.5mm)
特に角度は突き出しと一緒に考えなければいけません。このサイトが便利です。
SNSを覗いてみると、「スージーステムに変えてハンドルが**mm下がった」といった書き込みが沢山ありますが、もともとついていたステムによって全然違いますからね。少ししか下がらない、ほとんど変わらないケースもありますので、そこは十分ご注意ください。どちらかというと、トップチューブが細くて水平なクロモリフレームより、トップチューブがすこし太くて(34mm以上)スローピング(5~8度くらい)しているアルミもしくはカーボンフレームに、よく似合うと思います。
剛性うんぬんに関しては、私のようなのんびり親父ライダーが語るようなものではありません。普通にいいです。
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ワンバイエス スージーステム 31.8mm
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