大阪南港から四国愛媛の東予・新居浜の間を毎日就航している「オレンジフェリー」今年8月25日に、新船「おれんじえひめ」が就航しました。
ベックオンのツアーや輪行マイスターも何度も利用しているオレンジフェリー、内覧会というものにお誘いいただき、一足お先に内部を見学させてもらいました。
新船おれんじえひめの内覧会
今までの船との最大の違いは、「全室個室」フェリーといえば「2等室の雑魚寝」が懐かしいという方も多いと思いますが、これも時代でしょうね。船自体も大型化されており、それにより東予港に接岸できなくなった為、新たに深掘りした新ターミナルも建設されました。船内の売店がなくなり、飲み物とおつまみなどは自動販売機での販売となりました。アルコールの自動販売機も無くなり、食堂での販売のみとなっております。
一般の旅行客と長距離トラックのドライバーさんとは、部屋のエリアと食堂が区別され、ゆっくり安眠したいプロのドライバーに配慮されております。バリアフリー化が進んでおり、また小型のペットと一緒に泊まれる部屋も新設されました。
グレードごとの各部屋やお風呂の写真は、オレンジフェリーのサイトをご覧いただく方がはるかに綺麗に映っておりますので、是非そちらをご覧ください。
どんな部屋?
出航の2時間前から乗船開始です。(土日は2時間30分前から)私は2等寝台ですので、自転車は輪行袋に入れて部屋の中に入れます。以前はロビーの端などにおいてました。2等寝台より約2000円高いデラックスシングルルーム(一等室)には、自転車の手荷物料金(1650円)を追加すると、なんと自転車はそのままお部屋の中まで入れることができます。
いずれの部屋も、日帰り往復利用であれば同じ部屋になりますので、走る時に必要のない荷物などは置いたままにしておけます。まさに動くホテルでもあるフェリーならではの特権です。
レストランの食事は?
実際に一晩乗ってみて気づいたのは、今までの船と比べてエンジン音がむちゃくちゃ静かです。天気もあるとは思いますが、揺れもものすごく静かです。船の大型化はもちろんのこと、後で聞くと「プロペラが1基」になったのが影響大きいんじゃないかということでした。
石鎚山に向かって、出発
予定通り6時に東予港に着いたら、早速乗船。港に横向きに接岸するので、大阪南港より船からターミナルまでの距離が短い。輪行袋を抱えているとちょっとうれしいですね。ターミナルにはエレベーターとエスカレーターの両方あります。
早速自転車を組み立てて、6時22分出発です。今回のコースは「石鎚山岳輪道」全長:146.6km 獲得標高3000メートル近いこってりコースです。
黒森峠 985m
最初の登りは約16キロの黒森峠。峠の入り口にある商店では必ず補給しておいてください。その先40キロ程全くお店がありません。
黒森峠を越えると、20キロ程ダウンヒル。毎年9月の初めに開催される「石鎚山ヒルクライム」のスタート地点となる、「おもごふるさとの駅」が次の休憩ポイント。残念ながらこの日は月曜日だったため、鮎の塩焼きが食べられるという売店は閉店ガラガラー。気を取り直して、約22キロの石鎚山ヒルクライムスタートです。
石鎚山ヒルクライム ゴールは1492(いよのくに)mの土小屋
面河川(おもごがわ)の透き通った清流に添うように登りはじめ、大鳥居をくぐると、本格的な登りです。
沢山の小さな滝のしずくが気持ちよく、あっという間に22キロ登頂。ヒルクライムのレースの時には自転車でごった返すのですが、この日は私を含めてローディには10人くらいしか会いませんでした。
ここまでで約90キロ、獲得標高は2200m。走りごたえ十分です。土小屋にある石鎚神社にお参りをして、後半戦出発です。
UFOライン(町道瓶ヶ森線)行くぜよ
ここから東に向かって走ると、道幅はぐっと狭くなります。このコース最高地点の1690m地点を目指します。実は今回最も走ってみたかったのは、このUFOライン。それはこんな景色中を走ってみたかったから!
最高地点の1690mから約1000mの緩やかなダウンヒルを終えると、楽しかったUFOラインもあっという間におしまい。最後のほうに素掘りの真っ暗なトンネルがありますので、要注意です。
新寒風山トンネルの恐怖
ここからの帰り道は2種類あります。旧道の寒風山トンネルで下るか、新寒風山トンネルで下るか。旧道はほとんど整備されていないので、枝や石ころだらけらしいです。新寒風山トンネルに至るつづら折りの下りが今回のコースで一番テクニカルでした。
寒風山トンネルに突入してみてびっくり。もちろん自転車・歩行者オッケーなのですが、歩道は1mちょっとなので、自転車用ではありません。自然と路肩の狭い車道を走るのですが、このトンネルは長さ約5.5kmのド直線。しかも5~6%の勾配。下りだからよかったものの、これ登りだったらかなりの恐怖を味わえそうです。
この後も西条市まで走りやすいバイパスでダウンヒル。あっという間に西条市に到着。
しまなみ海道の起点、シクロの家
西条市まで戻ってきましたが、この時点でまだ3時。フェリーに乗船できるまではあと5時間。こんな時は今治駅前の「シクロの家」に遊びに行きましょう。
シクロの家は、しまなみ海道最強のサイクルマップ「しまなみ島走マップ」を作った宇都宮一成さんが運営する、ゲストハウスなんです。
ついてびっくり、ゲストハウスのすぐ横の壁に、こんな巨大な壁画が描かれていました。ここがしまなみ海道のスタート&ゴール地点です。ゲストハウスの中で、アイスを食べながら宇都宮さん、ペアレントさん、宿泊されている方たちとだべっていたら、あっという間に7時前。
ここから東予港まで1時間はかかりますので、名残惜しくもおいとまして、夜道のバイパスをひた走り、フェリー乗り場に到着。
朝6時半から晩の8時まで、たっぷり13時間以上走れて、0泊3日。しかも大阪から愛媛。今回フェリーの中で知り合った女性が二人いたのですが、一人はしまなみ海道の大島、大三島を走り、もう一人は松山から下灘駅、今治市とぐるっと回って走ってきました。こんなにバリエーション豊かなコースが組み立てられるオレンジフェリーって、すごくないですか。大阪に住んでてホントよかったって思います。
この日のコース、走行データ
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