先月初めて走った丹後半島があまりにも綺麗だったので、忘れないうちにもう一度走ってきました。前回は1300名参加のTANTANロングライドの参加者と一緒でしたが、今回は気ままな一人旅。
自宅を朝6時にスタートしました。
自宅から篠山までは普段の練習でも良く走るところ。まずは日本百名城の一つ「篠山城」に到着。天守閣は残っていませんが、石垣と堀、そして京都の二条城を模して作られたという大書院が再建されています。
篠山城を後にすると、全国でも非常に珍しい分水界が現れました。「くりから国中分水界」というのですが、同じ地域、同じ敷地内に、日本海に流れる川と、太平洋に流れる川の分水界があるのです。
この日は朝早くから、あちこちで草刈をされていました。
2時間半ほど走って、1回目の休憩。「豆大福」をいただいてしばし走ると、こんな石碑が。
徳川秀忠の嫡子・竹千代(のちの家光)の乳母の「春日の局」のふるさと「春日町」にひっそりとそびえる、「大納言小豆発祥の地」 です。
丹波大納言小豆はその昔、幕府や京都御所にも献上されていたという、超高級品。
「大納言は殿中で抜刀しても切腹しないですむ」ことから煮ても腹の割れないこの小豆を「大納言小豆」と名付けられたといわれています。
突然前方に形の良い山があるなぁと思っていると、「小富士山」の看板が。 かつて明智光秀の丹波攻めの際、一夜で築いたといわれる小富士山城があったといわれています。
京都に入り、「福知山城」に到着。明智光秀が築いたといわれるこのお城、三重三階の天守は昭和61年に復元されたものです。中は郷土資料館になっています。
由良川にかかる音無瀬橋を超えると、TANTANロングライド190kmのコースにようやく合流します。
由良川沿いを気持ちよく走ると、いよいよ本日2回目の山岳地帯です。平均8%の登りが待ち構えています。
緩いのぼりの道沿いには、「元伊勢内宮」「元伊勢外宮」「元伊勢岩戸神社」「五十鈴川」「猿田彦神社」など、三重県のお伊勢さんとどういう関係?と思わずにはいられない看板が次々と出現します。
その昔、天照大神が各地を転々した際、一時的に遷座されたといういわれがあります。中でも岩戸神社は巨岩の上にあり、なかなかの絶景のようです。今風にいうと、「パワースポット」らしいですよ。
また、平安時代の鬼の頭領(盗賊の頭目)・酒呑童子(しゅてんどうじ)がこの地に住んでいたということから、「日本の鬼の交流博物館」という施設もあります。TANTANロングライドでは、エイドステーションにもなっていました。
酒を飲むかわいらしい鬼が何体も迎えてくれます。
8%の坂を上り終えると、こんな綺麗な紫陽花が迎えてくれました。50メートルくらいにわたって今まさに満開。この日だけでこんな紫陽花ウォールが5箇所くらいありました。
遂に日本海に出ました。眼下に日本海が広がる景勝の地です。ここから時計回りに丹後半島をめぐります。
今回この絶景をもう一度見てみたかったんです。丁度小雨が降ってきましたが、太古の姿を再現してくれたようで、逆に興奮します。
田植えからちょうど一ヶ月くらいたったと思われる田畑のみどりと、波の白いしぶきがいいコントラストです。まるでジュラ紀の恐竜でも現れそうではありませんか。
TOKIOの鉄腕ダッシュという番組で、無人島に「舟屋」を造っていますが、これが本物。水面ぎりぎりのところに切妻面を海に向けた二階建て建物が、湾を取り囲むように郡として並んでいます。
日本海にありながら、南向きで波が穏やか、潮の干満差さが少なく、急に海が深くなっているなどの条件を生かして、舟屋郡を構築しています。
いよいよ雨が本降りになってきましたので、レインウェアーを着用することに。夏仕様に袖はあらかじめ切ってあるので、それほど蒸れずに快適に走ることが出来ます。
既に舟屋としては使用していない建物や、更地になっているところもありましたが、こんなのも残っていました。いまにも崩れ落ちそうな舟屋ですが、趣があります。
そして午後4時20分、TANTANロングライドのスタート/ゴール地点の駐車場にゴール。
一ヶ月前はあんなに賑やかでしたが、今回はガラガラ。釣りをしている数人を除いて、ほぼ無人。子供の頃通っていた小学校に久々におとずれたみたいで、ヘルメットから垂れてくる雨が寂しいようなすっぱいような味がしました。
この日の走行距離は215キロ、獲得標高2700メートルでした。
獲得標高(積算高度)って、その日に登った標高を合計したもので、コースのキツさをあらわす指標として、最近よく使われます。およそ100キロ以上のサイクルイベントがロングライドといわれますが、そのうち獲得標高が2000メートルほどあると、山岳ロングライド、つまり「グランフォンド」と呼ばれます。
奈良のグランフォンド吉野は、195キロで獲得標高4000メートルもありますから、そのきつさが想像できます。
とりあえず一ヶ月前と同じポーズを。
今回のコースプロフィールです。
さて、帰ろう! 天橋立駅で5時36分の特急券を購入したところで、残り丁度1時間。温泉と輪行と弁当を買うには充分な時間です。
早速風呂に入りたいところですが、まずは輪行しておきましょう。
塗れた自転車の輪行は、とかく汚れます。ブレーキシューのカスで車輪がどろどろですから。そんな時でも出来るだけ手を汚さないように、最小限のタッチで輪行するのが、輪行マイスターが伝授しているテクニックです。
輪行袋に入れた自転車は、駅の外の隅に置いておいて(自己責任ですよ) 、いよいよ温泉。
天橋立駅が最高なのは、温泉が駅のすぐ隣にあるところ。これなら多少雨で汚れていたって、帰りを気にする必要がありません。
しかもここは天橋立という日本有数の観光地。京都や新大阪からも直通の特急があるので、行き帰りもラック楽。
こんな駅があるのなら、誰もが輪行してみたくなるに間違いありません。
夏なので着替えも最小限。レーパンのまま、汗でドロドロのままで輪行するのはマナー違反。さっぱりして着替えてから、電車に乗りましょう。
今回は荷物を減らすために、シューズはビンディングシューズのままです。幸い雨が弱かったので少し染み込んだ程度で済みましたが、場合によっては吸湿用に新聞を買う、貰うなどして短時間でも乾かしておくと良いでしょう。
クリートは歩行には向いていないSPD-SLだったので、クリートカバーは装着しましたが。
特急電車は4列シート。自由席がガラガラというのはリサーチ済みなので、余裕で自由席ゲット。空いている座席は沢山ありますが、輪行袋は自分の席の足元においておきました。前輪だけ外す輪行袋だと、簡単にこう置くことは出来ません。輪行袋は、前後輪外すタイプがデフォルトです。
そして、駅前の土産物屋さんで購入したお弁当とビール。これの為に走ったといっても過言ではありません。
輪行のときに重宝するのが、サコッシュ。財布、ケータイ、切符を入れておけば、駅や車内でとても便利。
サコッシュとはもともとロードレース中の選手に補給を渡すための簡素なバッグです。コンパクトに収納できてエコバッグみたいなものなのですが、肩紐があるのがエコバッグと違うところ。肩からかければ、両手が自由になるので、輪行袋やその他のバッグ類も持つのに困らないのです。
7時半ごろ大阪に戻ると土砂降りでした。家族に車で迎えに来てもらい、飲酒運転を回避。最後の最後で飲酒運転しないように。
温泉がある駅はどこにある?
調べて見ますと、駅直結の温泉というのは、全国に18箇所しかないんですね。駅前の商店街の中に銭湯があるパターンだと多いと思いますが、駅の中、もしくは駅のすぐ隣というのは貴重です。最近は足湯ならあるという駅もありますね。(大阪府の箕面駅とか)
- 秋田県 :阿仁前田(駅舎内)
- 岩手県 :ほっとゆだ(駅舎内)
- 山形県 :高畠(駅舎内)
- 新潟県 :越後湯沢(駅ビル内)
- 新潟県 :津南(駅舎内)
- 新潟県 :ガーラ湯沢(駅ビル内/季節営業)
- 福島県 :福島(駅ビル内)
- 群馬県 :水沼(駅舎内)
- 栃木県 :湯西川温泉(駅舎隣接)
- 長野県 :平岡(駅舎内)
- 長野県 :湯田中(駅舎隣接)
- 岐阜県 :みなみ子宝温泉(駅舎内
- 京都府 :天橋立(駅舎隣接)
- 兵庫県 :城崎(駅舎隣接)
- 和歌山県:那智(駅舎隣接)
- 愛媛県 :松丸(駅舎内)
- 熊本県 :阿蘇下田城ふれあい温泉(駅舎内)
- 熊本県 :藤崎宮前(駅ビル内)
今回のお役立ちアイテム
- オルトリーブ シートポストバッグ Mサイズ
輪行袋(オーストリッチ)L-100と着替えを収納。ぎりぎりの大きさですが、これが必要最小限です。 - パールイズミ クイックビブパンツ
「レーサーパンツを履いてはいけません。」トイレが面倒なんてもう思わなくなります。 - サコッシュ
走行中は小さく畳んでおいて、輪行のときだけ取り出して使用します。財布、ケータイ、切符がどこ?ってあわてることがなくなります。雑誌の付録やレース会場で配布、販売したりしています。 - パーフェクト輪行講座
輪行がパパッと出来れば、サイクリングの幅が格段に広がります。 - TANTANロングライド
来年は第4回、6月に開催されると思います。100km・190kmコース共に丹後半島走ります。 - ルートラボ
コースの作成、距離、標高、下見ならこのソフト。走行中はスマホでも確認できます。このページのコースガイドもルートラボで作成しました(一部加工しています)。
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