輪行でサイクリングに出かけるとき、シューズは何を選びますか? 走りに重きを置くか、歩いている時の快適性も重視するかでおのずと決まりますが、およそこの3種類から選ぶことになります。
- スニーカー・・・・・歩きやすいが、ビンディングペダルではないので、より楽で効率のよい走りは出来ない。登りの多いコースだとかなり不利。
- ロード用ビンディングシューズ・・・・・走りに特化するためのペダルとシューズですから、歩きには向きません。輪行のときはクリートを保護するクリートカバーをつけるとしても、多少マシになる程度。休憩や食事の時は店内で転ばないように用心しなければ。
SPD-SL、ルック、タイム、スピードプレイ等 - MTB用ビンディングシューズ・・・・・クリートがおよそシューズの底に収まるので歩きやすいSPDシューズ。ただしやはり走り優先の為、ソールが硬いので歩きやすくは無い。クリートが多少ソールより分厚いため、歩く時にカチャカチャ音が出るのと、多少滑りやすい。
SPDペダルで、シマノ、クランクブラザーズ、ジロ、SIDI、パールイズミ、ノースウェーブ等々
しかし最近はロングライドイベントや輪行に人気が高まっており、3番のMTB用ビンディングシューズよりもっとソールが柔らかくって歩きやすく、尚且ついかにも自転車用な見た目ではなく一見普通のスニーカーや革靴のようなシューズが数多くリリースされております。
そんな中、最近私が即買してしまったそんな歩きやすいビンディングシューズが、こちら。パトリックのポリドール。パトリックといえばおフランスのスポーツシューズ・ウェアーブランドですが、実は全て日本製。姫路のとある老舗靴職人達が一つ一つ昔ながらの製法で手作りしているんです。
ソールを見てみましょう。初期状態ではクリートを取り付けなくてもはけるように、プラスネジでカバーが付いています。今回はSPDペダルで使用しますので、これは取り外します。
パトリックのアイデンティティでもあるサイドの2本線はもちろん、かかとにも再帰反射が付いていますので、全方向から車やモーターバイクのライトに反射します。普通のスニーカーとは違う、サイクリング用ならではの工夫です。
もう一つサイクリング用の工夫がこちら。靴紐がギアやチェーンにか絡まないように、靴紐を抑えるゴムベルトが付いています。小さいのにパトリックのマークが刻印されています。
インソールはシンプルなもの。ココだけはより脚にフィットするブランドのインソールに交換しても良いと思います。控えめにMADE IN JAPANの文字がプリントされています。
歩きやすさの工夫がこちら。なんとかかとにクッション素材がはめ込まれています。外からは全く見えませんので、見た目は全く野暮になりません。
もともと付いていたクリートカバーを外すと、見慣れたSPDクリート取り付け用の穴が見えます。 SPDクリートを購入する際は、「ナット無し」をお選びください。
クリート取り付けボルトにはしっかりグリスを塗ってから、締め付けてください。
クリートがソールからどれくらいはみ出るかが、歩きやすさのポイントです。なんと、ほとんど出ません。見た目ソールが分厚いということは無いのですが、上手く収まっています。
はやる心を抑えて、履いてみました。一見細身なシルエットですが、そこは牛革よりもさらにしなやかで高級とされるカンガルーレーザーを採用しているため、すぐに足先の形に馴染んでくれます。これは履きこむことによってより自分の足に合うようになってくるはずです。足幅が広い方にも履きやすいと評判です。
皮サドルのように大切に育てて生きたいですね。
裏側はこんな感じ。白と黒のツートンがお洒落です。
シマノのSPDペダルにはめてみました。
正面から見ても、スリムでかっこいい~。
白と黒のソールデザインもいいですねぇ~。
さて、ココから特に大事です。人口素材ではなく天然素材(カンガルーレザー)ですから、メンテナンスが欠かせません。牛革靴用のクリームではなく、カンガルーレザー 用のクリームをご用意ください。汚れ落としは共通です。オススメは、スピングルムーブというブランドのクリームです。何色でも使用できます。
新品の頃からクリームを塗って、防水スプレーをかけておくのが長持ちする秘訣です。さらに、保管時には木型を入れて、型崩れと湿気を防げば完璧です。
最後に気になる履き心地について。想像していたよりずっとソールが柔らかく歩きやすいです。逆に、ガッツリ峠の多いコースには頼りないかと思います。力強く踏み込むと、すこしペダルがめり込む感じで力をロスしている感じは否めません。
かかとのクッションは、歩く時に程よく衝撃を吸収してくれます。
他のSPDシューズと比べてみました。下の画像で左側がいわゆるマウンテンバイクのXCレースや、シクロクロスレースでも使用するSPDシューズ。カーボンソールではなくナイロンロールですが、ソールを手の力で曲げようとしてもびくともしません。
真ん中がパトリックのポリドール。手で曲げようとすると硬いですが、このくらいまでは曲がります。
右側がスピングルムーブのカンガルーレザーのスニーカー。ぐにゃぐにゃですね。
他にもソールを手でぐいっと曲げてみた時の感触を、グラフにしてみました。パトリックは歩きやすいといわれるシマノのクリッカーよりも、さらに柔らかいですね。もちろん、スニーカーに比べると断然硬いです。
革製なので雨に濡れたり、帰宅後のメンテナンスは必要ですが、それがかえって愛着生まれるんですよね。チェーンに油を差すのが当たり前なように、サイクリングシューズにもクリームを塗って、大切にしたいものです。
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パトリック SULLY(シュリー) SPDシューズ
国内少量生産で、当店もメーカーに予約してようやく入荷するというものです。完売の際はご容赦ください。
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