海外の展示会に行くと大きなブースで出展しているのに、日本で販売されていないスピードメーターのブランドって結構あるんですよね。日本語が壁なんだとは思いますが。10年ほど前に「ブライトン(Bryton)」という台湾のGPSメーカーが日本に進出したのですが、その時は日本語がいまいちだったり、サポートの問題だったりあって、あまり普及しませんでした。
そのうち自転車用GPSといえば、ガーミン一強の時代に突入。キャットアイやトピーク、ジャイアントなどもスマートフォンのGPSを利用することで安いモデルを発売しましたが、結局スマホのバッテリーが1日持たなかったり、本体とスマートフォンがちょくちょく切断するなどの問題があったりと、ガーミンに対抗できるようなものは出てきませんでした。
そんな中、新たな日本の代理店が、再びブライトンの輸入代理店にと名乗りを上げました。発表された資料を見ると、驚愕の低価格。ライバルを真っ向ガーミンに設定しており、半分以下の価格。ガーミンに採用されている、本格的なトレーニングのための機能を省いてはいますが、最も驚くべきはそのバッテリー寿命。ガーミンで何やかやと持続時間は10時間ちょっと。朝早く出発すると、夕方まで持ちません。給電しながら使うことはできるので、ガーミンユーザーはモバイルバッテリーを常に携帯し、午後になると給電しながら走るというのがお約束になっていました。
このブライトンのバッテリー寿命は、rider530が33時間、rider310が37時間。ガーミンからしたらかるく2倍以上。しかもこの時間は、代理店の説明によると心拍計やパワーメーターなどフルで接続した状態であると。これなら一泊二日、二泊三日くらいまで充電不要で走りに行けますね。
早速ミドルグレードのrider310を使用してみました。おそらくこのモデルが一番人気になると思います。付属の台座は輪ゴム2本で固定するタイプ。本体と台座はガーミンのように90度回転させて固定させます。キャットアイの爪で引っかけるタイプよりも、この方が簡単だと思います。ガーミンの台座と一見似ていますが、互換性はありません。無理やり突っ込むとはまるらしいのですが、危ないのでおやめください。ステムやハンドルの真上ではなく、前に付けたいという方は、別売りで「フロントマウント」が販売しております。
本体の電源を入れると、最初の作業は数ある言語の中から「日本語」を選択する事。スマートフォンにBrytonのアプリをインストールして、本体のバーコードを読み取り、接続完了。ユーザー情報を入力し、本体の表示項目を設定します。PC用にBrytonのアプリもありますが、今や走行ログといえば、「STRAVA」がディファクトスタンダード。STRAVAとも同期します。
表示項目は1画面に最大8項目、5ページ分が登録可能です。私の場合はスピードセンサーやケイデンスセンサー、パワーメーターやDi2など何もつけない状態で使用しますので、2ページ分、スピード、平均スピード、時計、走行時間、距離、標高、獲得標高、勾配くらいあれば十分です。
早速近所を走ってきました。
スピードセンサーをつけていないのに、走り出せばすぐにスピードが表示され、止まればすぐに0km/hになります。キャットアイのセンサーを付けない「ミラーモード」のように反応が遅いことはありません。
走行中は当たり前に表示させているすべての項目が、きちんと表示されます。画面を切り替えるボタンも大きいので、押し間違えるようなことはありません。唯一私にとってのマイナスポイントは、文字が小さい事。はい、45歳にして老眼入ってきてます。1画面に8項目表示させられますが、文字の大きさは2サイズです。大きい方はもちろん余裕ですよ。問題は小さい方ですね。漢字で項目名も表示されていますが、走行中に読み取ることはほぼ不可能。これはまだどの場所にどの項目が表示されているかを把握していないのも問題なので、そのうち慣れるとは思いますが。
帰ってきたら、データをスマホと同期します。50キロくらいの走行データだと、30~1分くらいかかりますが、棒グラフで転送状況がわかるので、安心です。STRAVAにもすぐに自動的に同期します。走行中に撮影した写真も数点、STRAVAにアップロード。今流行りの「Relive」と連携しておけば、自動的に3D動画も作成されます。
スピードセンサーとケイデンスセンサーはANT+ Bluetooth対応です。大きな声では言えませんが、ブライトン純正センサーはガーミンのそれよりも安いので、ガーミンユーザーはセンサー類だけブライトンにするというのもアリですね。
Rider10は「Bluetooth」でセンサー類と接続します。Rider310とRider530は「ANT+」で接続します。さらにRider530は「Wifi」接続も可能なので、走行ログを超ハイスピードでダウンロードできます。
GPSというと「道案内」というイメージかと思いますが、車のGPSほど、自転車にGPSの必要性は高くないと思います。車は目的地に渋滞を避けて、早く到着するということがとても重視されますが、自転車ってそうじゃないですよね。ガイドマップのとおりに走る必要なんて1mmもなくって、好きなところを走ればいいんですよ。道に迷ったらスマートフォンという頼りになるものがありますから。
キャットアイユーザーにすると、あのすぐにずれるケイデンスセンサー、スピードセンサーから解放されるのはかなり大きな違いだと思います。輪行すると必ずずれますからね。ANT+ Bluetoothにしたって、クランクとハブに巻くだけで、マグネットとの距離が5mmいないとか気にする必要はありません。
キャットアイにはなかった機能として、温度計と標高がリアルで表示されるのは面白いですね。先日の猛暑では40度を記録しました。ラップタイムが別画面にまとめられているのも、わかりやすいと思いました。ボタンの押し具合もしっかりしていて、グッドです。
バッテリーの持続時間が36時間ととても長いのですが、残量表示がとてもおおざっぱなのが惜しいところ。実際に使ってみた感じでは、29時間くらいでした。初回の設定でいじっていた分があるのかないのか、36時間は持ちませんでした。週末ライダーで36時間というと、よっぽどロングを入れないとかなりの持続時間になると思います。ブルベなら400kmまでならオッケーでしょうが、600kmなら給電が不可欠。
給電しながら走行は可能ですが、マイクロUSBが本体の裏にあるため、付属の台座をステムに使用するとコードが接続できません。これを解決するには、別売りのロングアームの台座が必要なのですが、310に付属のコードだと台座に当たってつなげません。ストレートタイプのコードだったらかろうじて接続できましたが、すこし曲がっていますね。530ならロングアームにすれば全く大丈夫でした。
一つ下のグレードのライダー10との違いは、バッテリーの持続時間が半分以下になることと、表示項目も半分になることです。ANT+には対応しておらず、ラップが取れません。画面の大きさはライダー10が2インチで、ライダー310が1.8インチと逆転しています。実売価格で5000円ほどの違いがありますので、どちらが自分の使い方に合うかどうかで、お選びください。1回の走行距離が長いと思うなら、310が良いかなと思います。
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