ヨーロッパでもレースシーズン真っ只中!
手足の長い外人選手のポジションは、本当にかっこよくて憧れの的でもありますが、残念ながら生まれながらの胴長短足の日本人体型である私には、とてもあんなポジションがとれるものではありません(泣)
実はこの手足が短いというのは、クランクを回す上で非常に不利な条件なんです!
それはなぜか?
今回はちょっとコアなお話になりますが面白い話しでもありますよ
一説では手足が短いほうが早く動きやすいと言われていますが、クランクを回すという一定の距離までを動かすのであれば、足の長い人の方が少ない運動量で動かせるのです。
簡単に言いますと、1mの幅の川を渡ろうとしたときに脚の短い人と脚の長い人では、一歩で渡るなら当然ながら長い人の方が楽に渡れます。これは股関節の角度が、脚の短い人では大きく、長い人では小さくてすむからです。これがクランクを廻すという点にも当てはまっています。
机上の計算ですが・・・
日本人の股下平均79cmと欧米人の股下平均85cmでクランクを回したときの股関節、膝関節の運動範囲の違いは?(サドル高は股下×0.885で計算)足サイズは同じと仮定した場合
まずは172.5mmのクランクを、股下79cmと85cmにそれぞれ0.885を掛けたサドル高で使った場合は、股関節、膝関節共に約4°は大きく動かすことになります。
次はちょっと強引にサドル高(約70cm)は同じと仮定して、股下79cmと85cmの人が172.5mmのクランクを回した場合、79cmは85cmに比べて股関節で約6°膝関節で約7°も大きく動かさなければなりません(サドル高)
そして適正なサドル高で79cmの人が85cmの人と同じ運動範囲にしようとすると・・・・なんと!!79cmの人は160か162.5mmのクランクを使うことで、ようやく85cmの人と同程度の運動範囲になるのです!!
しかしながら172.5mmが160mmまで短くしてしまうと、踏み込むときのパワーは8%近くも大きな力が必要になり、これまた不利に働いてしまう事になります。
(上の写真の日本人選手の角度は約60° 下のヨーロッパ選手は約42° クランク長等詳しいことはわかりませんが反対側の足の伸び方から見て、サドル高の股下に対する割合は同じぐらいと推測されるが、上支点付近の股関節の角度は20°近く違っています。このことから、上の選手は下の選手に比べて、クランクを一回転させるには、股関節を常に20°分大きな運動量が必要になるといえます)
(注意:)
これはあくまでも写真から判断した推測であって、二人の選手の正確な身長や股下のデーターがあってのものではありません。
わかりやすく例としてあげただけですのご理解ください。
見てもらうとわかるとおり、正確にはクランクの位置も若干違いますしね
こう書いてしまうと不利な条件ばかりで、日本人が活躍するのは無理なんじゃないかとさえ思いがちですが、
足が長い=身体が大きい体重が重い=空気抵抗や登坂抵抗が大きい
足が短い=身体が小さい体重が軽い=空気抵抗や登坂抵抗が少ない
と言えるし、実際に身体の小さな新城選手や土井選手等、日本人体型でも活躍している選手はいるわけで、一概に足が短いのがダメとはいえないのが自転車の面白いところなんでしょうね!
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