ワールドサイクルの輪行マイスター岩田が毎月開催しているパンク修理講座では、導入部分の10分くらいをかけて、パンクの種類と原因、タイヤの仕組み、タイヤの寿命、タイヤの選び方などをご説明しております。何事も基礎知識が大切ですからね。
この写真は、昨年(2016年)11月に私のロードバイクに取り付ける直前のタイヤです。モデルは
IRC ASPITE(アスピーテ) PRO DRY 700C(622) フォルダブル 700x26c
ラベルの中心にバルブがくるように取り付けるのがお約束です。体重58kgの私は前後6barが調子いいと感じました。5.5barだとすこし柔らかすぎて、6.5barだと硬すぎると感じたからです。
ここ数年太めのタイヤのほうが路面抵抗が少なくなるといわれて人気ですが、それはレースする人の話です。レースじゃなければ、700x23の時の空気圧よりは、少し下げて乗り心地をよくしてあげてください。どれくらい下げるかは、個人差がありますので何度かテストしてください。最近の25cや26cのタイヤは、一昔前の23cの重量と大して変わりませんので、太くすると重くなるというデメリットは無いと考えて、乗り心地をよくする、疲れにくくするという方向に考えるのが、いいと思います。
このタイヤ、車やオートバイのタイヤのように「スリップサイン」がタイヤ1本につき6か所あります。黄色い矢印の先の丸いところです。この丸の底までタイヤがすり減ると、見えなくなります。IRCではその状態でゴムのトレッドが0.2mm、全体の8割がすり減った状態ということになるので、タイヤを新しいものに交換してくださいねということになります。
スリップサインをつけているメーカーとつけていないメーカーがありますが、やっぱりあると便利です。交換時期が明確です。「見える化」されています。某国内タイヤメーカーも、今後スリップサインをつけるようにするらしいですし…..
スリップサインが無い場合、期間と走行距離、タイヤの状態を総合的に判断して判断することになります。ほとんどのメーカーでは、クリンチャータイヤの寿命は、
約1年 3000キロ~5000キロ
としています。もちろん前輪よりも後輪のほうが早くすり減りますし、保管状況や雨、未舗装路、灼熱の路面などの路面状況、乗り手の体重、走り方にも影響されます。ウェットタイヤのほうがグリップをよくするために減りが早くなる傾向にあります。
経験上「そろそろタイヤを変えたほうが良いかな~」って時に限ってパンクすることが多いので、早め早めにタイヤは交換します。これは新しいタイヤをどんどん売ろうとして言っているのではなく、事実そうなんです。
約半年、約3000キロ走った状態のIRCアスピデの前輪がこちら。スリップサインがかなり薄くなっていますね。
こちらは後輪。スリップサインが今にも消えそうです。完全に消えるまであと少し、早いうちに交換した方がよいでしょう。
こちらは別のメーカーの約5000キロ走行(約10か月)した後輪です。トレッド部分が約3ミリほどはがれてしまっています。路面に設置する部分が平らにすり減っており、走行距離的には、仕方がないですね。
タイヤを交換するときには、2回に1回くらいはリムテープも交換してあげてください。リムテープは外から消耗具合がわかりませんので、リムテープだけ交換するということはほぼありません。タイヤ交換のタイミングが作業的に最も効率的ですので、こちらも早め早めに交換してください。
チューブがタイヤの裏側に貼りついてしまわないように、パナレーサーのタイヤパウダーをタイヤの裏に塗っておくのも、おすすめです。
2019.7.23追記
ではチューブがない代わりにシーラントを入れる「チューブレスレディ(チューブレスコンパーチブル・チューブレスイージー)」は?
タイヤの表面の寿命だけでなく、シーラントの寿命も考えなければいけません。シーラントの種類にもよりますが、速いもので約3か月、長いものでもせいぜい1年といったところでしょうか。もちろん乗っても乗らなくてもです。定期的にタイヤをあけて、シーラントをチェックするようにしてください。チューブを入れるクリンチャーよりも、はっきり言って手間はかかりますよ。
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