こんにちは、ポタガールのまさみんです。
みなさん、9月9日は何の日が知っていますか?
9月9日はキューキューの日。そう、「救急の日」です。
そこで今回は、自転車に多いケガとその処置について紹介したいと思います。
看護師免許をもち、自転車イベントでも救急スタッフとしての活動経験がある”さおりん”に聞いてみました。
自転車イベントで多いケガは?
- 擦過傷
- 打撲
- 骨折
と、外傷が多いのが特徴です。
では、質問です。
「下りカーブでバランスを崩し、肩から思いきり転倒した!肩から肘にかけて出血している。手を動かそうとすると肘のあたりにしびれるような痛みがあって、どんどん腫れてきている…。」
こんなとき、どうしますか?
”病院に行く”
ひとまずこれが正解だし、間違いないと思います。
ケガをした直後は、意外と痛みを感じなかったり動けることも多い。
そりゃ、みなさん楽しくて自転車乗ってるんだから一種の興奮状態にいるわけです。
そんなとき、正しい感覚を認知することは難しくなります。
なので、受傷直後は『しばらく休んで様子を見てから、ゆっくり動き出す』ことや『(可能な場合は)早めに受診すること』をおススメします。
でも、それまでに何ができるか。
これらのケガの処置をするために知っておくべき原則が
「C・P・R・I・C・E」です。
RICEは聞いたことある人も多いのでは?
これですね。ポイントを解説します。
Rest(安静)
- つまり「できるだけ動かさないように固定しよう!」ということです。
便利なのが「バンダナ(大きめハンカチ)」や「てぬぐい」です。正しい三角巾の使い方とかありますけどね。わかんないときは、とりあえず巻いておけばいいんですよ。大事なのは「巻き方」じゃなくて「動かさない」ことです。固定する際にポイントとなるなのが「痛いところに固いものを置いて」できるだけ動かさないようにすること。なので、携帯用空気入れとか割り箸とかで患部をサポートしてあげるといいですね。
ケガを悪化させないために「無理に動かさない」「楽な姿勢を探して保つ」も大事なポイントです。
Ice(icing)(冷却)
- この世には便利で、子どもも大人も大好きなものがあります。そう、それが「シップ」。よく「シップもらいに病院行ってくる~」と高校生が言ってます。でもね、私が思うにシップなんて意味ないですよ。シップには消炎剤や冷感剤が含まれていますから、全く意味がないわけではないですが、傷の悪化を防ぐために受傷直後に冷やすという目的のためには効果があまりないんです。
冷やす目的は簡単にいうと「出血をおさえるため」と「痛みを抑えるため」と考えられます。そのためには「受傷直後~受傷後20分程度、氷で冷やす」ことがとても大切です。
ちなみに、打撲・骨折だけではなくアスファルトなどでこすってできたケガ(火傷っぽくなっているようなケガ)のときにも最初にしっかり冷やすことで腫れ具合が大きく変わります。
Compression(圧迫)
- 「腫れをできるだけ防ぐ」ために、バンダナや手ぬぐいなど「キツメに」巻く。ただし、痛みを促進するような場合には無理には行わないほうがいいです。
Elevation(挙上)
- 「受傷部位を心臓より高くすること」によって、受傷部位に血液が行きにくくなるので「出血量を減少」させ「腫れにくくする」ことができます。
擦過傷
- 簡単にいうと「すり傷」です。
処置の原則は「清潔を保つ」です。
最近の研究の結果から、大事なのは「消毒する」ではないんですね。消毒が不要とは限らないと思いますが、一番大切なことではないです。
ケガを治すのに大切なことは「清潔を保ち」「自然治癒力を促す」ことです。消毒は2つめの「自然治癒力を促すこと」とは別の働きをしてしまうことがあります。新しい皮膚組織を悪い菌と一緒に殺しちゃうんですね。だから、傷口が汚染されている状態が続いたり、化膿していたりしたら消毒するのも必要な時があると思いますが「ケガをしたら、きれいな水でしっかり洗う」ということが大切です。
ただね、ギザギザになってる傷のときとか受傷後2~3日後でジュクジュクしてときとか、水でゴシゴシ洗うのって辛いですよね…。
私も以前、高校生の女の子が「痛いよー!」と訴えるなか、心を鬼にしてゴシゴシ傷口を洗ったんです。
「痛かったろうなー、申し訳なかったなー、、、」と苦い気持ちを引きずっていたのですが(といっても5分とかそんなもんですけどね)、後日、彼女が「先生!痛かったけどすごくキレイに治ってきたよ!先生が言った通り最初にしっかりキレイにするのが大切なんだね!」と言いに来てくれました。
はわわ~!あんなに痛がっていたのに、しっかり学んで、こんなことを言ってくれるなんて!
このときはちょっと感動しましたね。やりがいを感じた瞬間です。
話はそれましたが、大事なのは「きれいにすること」つまり「洗浄 Clean」です。
最後の「P」はprotect。
- 保護することです。
これは湿潤療法に通じる考えですね。私がおススメする方法は7月のブログ「自転車×ワセリン」でご確認ください。
※ここまでのお話は、原則を普段の生活に応用するならばという視点ですごーく簡単に書いたものです。
ベストの処置ではないですし「擦過傷、打撲、骨折」などといった最終的な判断(診断)は、詳しい検査なくして行うべきではないと思います。また、応急処置にとどまらず30分後、1時間後の経過をきちんと確認し「運動を中止する」「医療機関にかかる」なども含めて検討されることおススメします。
実は、先日ポタガール仲間が落車による鎖骨骨折をしてしまいました。
ポタガールのなかでも、誰よりも自転車歴が長くパワフルでテクニックも持っている方でした。
油断は禁物ですね。みなさんの楽しく安全な自転車ライフを願います。
公式ホームページ「ポタ日和」や「Love bicycle SAITAMA」のFacebookページでも情報発信しているので、ぜひご覧くださいね♪
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