自転車のチェーンって、走れば走るほど削れて、伸びてきます。伸びるといっても、金属が飴のように溶けて伸びるわけじゃありません。リンクのピンとローラーが削れて細くなることで、結果的に伸びたように見えることを言います。
伸びるとどうなるか? チェーンとギアの噛み合わせがピッタリではなくなるので、遊びが生まれ、ロスになります。横方向への遊びも大きくなりますので、変速機がチェーンを横に押し込もうとしても、大きくなった遊びの分、タイムラグが生じます。いわゆる変速のキレが悪くなる状態です。
それでも使い続けると、ギアの歯先との隙間がさらに大きくなり、ギアが余計に消耗することになります。最悪、立ち漕ぎなどでトルクをかけたときに歯飛びしてしまい、ガクッとバランスを崩して転倒なんてことにもなります。
チェーンが伸びないようにするのは不可能ですが、伸びにくくするのは可能です。こまめなチェーンの掃除と注油です。注油だけではだめですよ。削れた金属のカスがチェーンに残っていると、それ自体がやすりのように自らを削ることになります。
チェーンの寿命の目安は、3,000キロっていう人もいますし、5,000キロっていう人もいます。なんとなくパワーのある人のほうが伸びそうな感じがしますが、私の場合は5,000~6,000キロを目安に交換しています。スピードメーターの積算距離や、月間走行距離を大体把握しておくとよいでしょう。週に一回100キロくらい走る人なら月に400キロ、年間4800キロですから、年に1度はチェーン交換しようねってことです。
チェーンの伸びを測るという方法もあります。いわゆる「チェーンチェッカー」と呼ばれる工具です。チェーンの伸び具合がわかるので、一目瞭然です。
この工具が無いときはどうするか? 正確な金属製の物差しで測りましょう。チェーンの1コマは25.4mmです。10コマだと254mmです。0.5~1%伸びたら交換といわれていますので、チェーン10コマ分の長さが、254mm x 1.01 = 256.54mm なので、それより長くなっていれば、即交換です。
チェーンチェッカーも、ノギスもないよという方は、普段からチェーンをつまむ癖をつけておいてください。動画でご紹介しますね。およそ6000km走った11sチェーンです。古い方のチェーンも綺麗に掃除ばかりしていたのでとてもきれいに見えますが、つまむと一目瞭然です。
最後に、チェーンの交換手順を動画で紹介します。シマノのクイックリンクだと、従来のようにコネクトピンを慎重に正確に打ち込む技術が不要なので、とても簡単です。ただしチェーン切り工具が不要かというとそうではありません。新品のチェーンは少し長めなので、長さを自分のバイクにピッタリにするために、やっぱりチェーン切は必要です。切るだけならただ工具をセットしてレバーを回すだけですから、簡単ですよ。
クイックリンクを外すときには専用工具が必ず必要ですが、はめるときは必要ありません。クイックリンクをチェーンの上側にして、バイクの前後ブレーキをしっかりかけて、ペダルをグイっと踏み込めば、「カンッ」と高い音がして一瞬ではまります。下の動画をご覧ください。
チェーンにもクイックリンクにも向きがあります。チェーンは「via」やら「shimano」やらの刻印のある方が、ギア側(外側)です。クイックリンクは矢印が回転方向になるようにしてください。
シマノのクイックリンク付きチェーンはこちら
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