10月20~21日、本州(和歌山県)のほぼ最南端、すさみ町を中心とした3町で、第2回ライドオンすさみというロングライドイベントが開催されました。私とスタッフ松本は、協賛企業として参加してきました。
今年が2回目のこのイベント、昨年はすさみ町の74キロコースだけでしたが、今年は白浜町、古座川(こざがわ)町を含めることで140キロコースが新設されています。
二日間のイベントで、前日はプチヒルクライムと前夜祭です。ワールドサイクル・ベックオンの出張所開店です。
驚いたのが、前夜祭の豪華さ。天然アユの塩焼き、名物イノブタの焼肉、いか焼き、おにぎり、柿など地元の食材とビールが飲み放題。この前夜祭の参加費はわずか1000円。宿泊は素泊まりでいいでしょう。満天の星空の下をほろよい気味で歩いてお宿へ。10時過ぎには就寝。
翌朝5時起床。スタート地点までは宿から徒歩5秒。笑っちゃうくらい雲一つない晴天です。オープニングイベントが終わると、6時半から140キロのチャレンジコースに参加の約400名が、約20名づつのグループで2分おきにスタート。
正直なところ、淡路島や琵琶湖のロングライドイベントは数千人規模。しまなみ海道のように1万人を超えるロングライドもイベントもあるなか、こちらは600名。規模的に小さくって、盛り上がるの?と若干疑っていました。申し訳ありません。前夜祭の充実度で薄々気づいていましたが、走り出して5分でそのゲスな思いは吹き飛びました。むしろこのくらいの規模が、ロングライドイベントとしては適正と思えるくらい。
天気が最高だったのはもちろんですが、ロングライドイベントでのスタート直後にイラっとすることといえば、「渋滞」。いくらグループを分けたって、スタートの間隔をあけたって、信号待ちであっという間に追いついてしまい、100人近い自転車大行列ができてしまい、たまたま出くわした車のドライバーが追い越せずに時速30キロ以下の走行を余儀なくされ、イライラしてしまう…..
しかしライドオンすさみは違いました。スタート直後の海岸線から全く信号がない。コースリーダーの後ろを整然と走る約20名の車列。海を見ながらの絶景。時々車が追い越していくのですが、そのほとんどがイベント関係車両。地方ならではじゃないでしょうか。
海岸線を過ぎると、河川沿いのコース。幅員5.5m以下の細い道でセンターラインはありませんが、ここもほとんど車は通りません。空中から優雅に撮影するドローンに手を振りながら、緩やかな登りを登っていきます。
わずか17キロで最初のエイドに到着です。ここでもロングライドイベントあるあるの「トイレ渋滞」が極めて少ない。もちろんエイドの飲食物待ちの渋滞もほとんどありません。140キロのコース上に、エイドが9個もあるのですから。トイレに5人以上の列ができているのを見たのって、最初と2か所目のエイドくらい。次のエイドが10キロ先なら、ちょっと我慢もできますしね。
2つ目のエイドに到着。山の中のちょっとした広場です。
静かな山道を走っていて思うのは、ロングライドイベントのコースじゃなかったら、まぁ走りに来ることはないんじゃないかと。地元の方が考えに考え抜いた走りやすいコースを存分に走れるのって、ロングライドイベントの醍醐味ですよね。
でも今年のこの時期、こんなに山の中の道が綺麗なはずないですよね。今年の夏の台風と大雨で、日本中の木々が倒れて、えらいことになっているのに、この綺麗さ。事前の注意で「落石によるパンク・バーストに注意」とありましたが、私が走った限り、その危険性を感じることは全くありませんでした。パンク修理で止まっている人も私は一人もみませんでしたし。このイベントに携わる方が、どれほどコース整備に力を注いでくれたのか、よくわかります。
第2エイドの直後が、このコース最大の山場。といっても最大標高367mで1キロちょっとです。最高勾配は17%くらいあったでしょうか。一気に登り切っちゃいましょう。
10キロ走って3つ目のエイドです。ここにはなんとコーラが。エイドの飲み物といえば、水かスポーツドリンクがほとんどなのですが、コーラ。喉を流れるシュワシュワの炭酸がめっちゃうれしいです。
4つ目のエイドでは、ゆずのジュースとパウンドケーキにかりんとう饅頭。めっちゃカフェ~なエイドでしたよ。
どんどん山深くなってきます。途中途中地元の方たちがイベントの旗をめっちゃ笑顔で振ってくれます。負けじとこちらも手を振り返します。
古座川の一枚岩に到着。確かにでかいわ。このエイドではアツアツのコロッケをいただきました。寝転んで昼寝して~。
古座川の一枚岩とは、和歌山県東牟婁郡古座川町の古座川左岸にある、高さ約150m・幅約800mの一枚の巨岩。国指定の天然記念物である。 一枚の岩盤としては佐渡島の大野亀や屋久島の千尋の滝などとともに日本最大級とされる。「Wikipedia」(2018.10.25)
透明で美しい古座川沿いを走ります。「日本の秘境100選」と「平成の名水百選」および「日本の地質百選」に選定されているそうですよ。
エイドが沢山ありすぎて、途中から何個目なのかわからなくなってきます。コースマップを見ると、道の駅「瀧之拝 太郎」のエイドに到着です。
この穴の開いた岩には伝説があります。地元の太郎さんというお侍さんが、人々の目を楽しませるために一人で掘ったそうです。ちょうど1000個目の穴を掘ったときに、大切な刀を川に落としてしまいました。刀を拾うために太郎さんも滝つぼの中にドボン。
その先はもう、浦島太郎のおとぎ話とうにゃむにゃむにゃ。。。。。
コースはここで折り返しですが、そのまままっすぐ進むと那智勝浦までつながっているみたいですね。
瀧之拝にかけては古座川にそって緩い上りでしたので、ここからはやや下り基調。しかし脚のあるグループに混ざったらしく、巡行37kmくらいのハイペース。女性の方も一人綺麗に走っていました。
7つ目のエイドに到着。前夜祭でもたっぷり頂いた鮎に。再会。なんと600匹の天然鮎を炭火で焼いてくれています。中までカリッカリに火が通っているので、骨もしっぽも内蔵もすべて丸々いただきました。このイベント、やばいです。ここからアドベンチャーコース(74km)と合流します。
74キロコースの参加者と合流したことで、集団のペースが少し落ち着いたようです。山を下りて海に出ると、もう最後のエイドになってしまいました。終わってしまうと思うと、名残惜しくなります。ここまで走っても、まだ雲一つない快晴。
2時過ぎにゴール。そこでもトン汁と鮎がありました。消費カロリー以上のエイドでのご馳走、もう食べられません。完走証をいただいて、預けた荷物を受け取ったら、なんとお風呂券をいただきました。近くにある3か所の宿のお風呂が無料で入れるらしいです。うれしいですよね。もちろんすべて温泉、だって白浜のお隣ですから。
4時から再び抽選会が開かれますが、最後までいると帰宅時間が遅くなってしまいます。私は昨晩泊まった宿のお風呂で一息ついて、4時半の特急「くろしお」で輪行して、帰宅の途につきました。
車で運転して帰ることを思うと、車内で缶ビールを飲んで居眠りできる輪行は、ロングライドイベントへのアクセス方法としてはベストに違いありませんね。
大会主催者としては1000人規模を目指したいそうですが、今年の内容の充実具合が広まれば、来年は早いうちに定員埋まっちゃうんじゃないでしょうか。今回の参加人数くらいのほうが、コースやエイドの混み具合もちょうどいいとは思いますが、一人でも多くの方に参加してもらって、すさみ町のすばらしさを味わってもらいたいですね。ロングライドイベントの楽しみを全てぎゅっと凝縮しておもてなししてくれるロングライドすさみ、パーフェクトです。
今年は4月27日から受付開始していました。来年のライドオンすさみ、要チェックです。
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