スポーツサイクルの車輪や、シートポストの固定に使われる「クイックレリーズ」の使い方について、ご紹介いたします。というのも、シマノから解りやすいイラストがリリースされておりましたので、SNSでシェアしたところとても反響が大きかったんですよね。
「クイックレリーズ」は、1927年にカンパニョーロによって発明されました。当時の車輪は、「蝶ネジ」と呼ばれる取っ手の付いたナットを手で回して着脱しておりました。後輪には両側に歯数の異なるギアが付いており、上り坂になると軽いギアにするため後輪を付け替えてレースを走っていたんですね。
クイックレリーズの発明により、ナットを回すのではなくレバーを倒すだけで済むため、飛躍的にすばやく車輪を着脱できるようになりました。その後多段ギアとリアディレイラーが発明されましたが、クイックレリーズはほぼそのままの形状で、90年後の現代にも継承されております。
ちなみに、「クイックリリース」「クイックレバー」とも呼ばれたりしますが、同じものです。
クイックレリーズの使い方をマニュアル化したものは、数多くありますが、その固定力が最大になるのは最後までレバーを倒しきったところではないんですよね。
以下、シマノの解説をご覧ください。
クイックレバーの締め付けトルクは? という質問に対して、シマノの回答が書かれていますね。この文言です。
「クイックレバーの固定力は、自分がクイックレリーズレバーを倒すことが出来る最大の固定力にセットしてください。」
カーボンパーツのトルク管理の重要性が力説されることが増えましたが、こんなもんなんですよね(*^^*)
ナットで固定する車輪の場合は、JISやSGやメーカーがそれぞれ指定トルクを定めております。全部数値が違うんですよね。シマノの場合、後輪が30~45ニュートン、前輪が20~25ニュートンとマニュアルで定めており、他の基準でも大体それくらいの範囲となっております。
さてココからが、意外と知られていないところです。レバーが緩みにくいように、工夫があるのです。
この理屈は、シマノ限定です。シマノ以外でもこのようになっているところもありますし、そうでないところもあります。レバーを外してみて、よ~く見てみてください。いずれにしても、レバーが稼動する最後まで倒すようにして使えば、大丈夫です。
あなたの周りにクイックレバーが締まりきっていないバイクを見かけたら、そっと教えてあげてくださいね。
参考資料 他のメーカーは?
トマシーニやカサーティなど、伝統的イタリア車の輸入代理店である「アクションスポーツ」では、こういった注意喚起を行なっております。スチールエンドのクロモリフレームに、軽量アルミクイックレバーなどは、あえてしないほうが無難だと思います。
クイックレリーズについては、2016年2月にこんなリコール事例があります。リコール理由は、「クイックリリースレバーが開いたまま走行した場合、ディスクブレーキに接触するおそれがあるため。」というものですが、クイックリリースレバーが開いたまま走行している事自体、整備不良、乗車前安全点検不測だとは思います。
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