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ユニクロ ヒートテック

頭痒いとこないですか?

*冬に一番暖かくて蒸れないアンダーウェアーはどれだというの?

※2023年11月13日加筆修正

ヒートテックセンサー コンフォヒート

巷にあふれるヒートテック製品。ご存知「ユニクロ」と「東レ」が共同開発したという薄くて軽くて暖かい素材のことで、皆さんも数枚はお持ちではないですか?

私も仕事中は毎日欠かさず着用しております。シャツの下に着ていてもまったく着膨れすることが無く暖かいので、シャツの上から分厚いセーターなどを着なくてもオフィスでは快適に過ごすことができています。

そのヒートテック、最大の特徴は、

「身体などから発せられる水分を吸収して、生地自らが熱を生み出す吸湿発熱機能を持った商品」

「水分を熱に変換するから暖かい」というのはなんとなく実感しているつもりですが、「吸汗速乾」つまり、汗を吸い取ってすぐに乾くという機能も売りにしている為、自転車をはじめとした冬の屋外でのスポーツ時に着用している方も多いかと思います。

ですが吸汗速乾機能については、「そんなこと無いぞ!」って声が聞こえてきませんか?

 

実はこのヒートテック、機能であって素材のことではありません。例えば日本のサイクルウェアーといえばパールイズミ、そのパールイズミでもヒートテックは採用しています。パールイズミの場合は「ヒートテックセンサー(※1)」という名称を使用しています。パールイズミと東レとの共同開発モデルとなっています。

(※1)2023年現在パールイズミのヒートテックセンサーは「コンフォヒート(ポリエステル90% キュプラ10%)」に移行しております。

品質表示を見ると、

  • ポリエステル 89%
  • ポリアクリレート系繊維 11%

パールイズミ ヒートテックセンサー

 

ユニクロのヒートテックアンダーと比較してみましょう。

  • ポリエステル 34%
  • レーヨン 34%
  • アクリル 27%
  • ポリウレタン 5%

パールイズミと比べると、かなり違いますね。ポリエステルがメインなのは同じですが、光沢と肌触りを良くするためにレーヨンを、伸縮性を高めるためにポリウレタンを含めていると思われます。

wear02

ここで繊維について少し詳しくご紹介しましょう。

指定外繊維

  • ポリアクリレート系繊維 綿の3 ~4倍の吸湿性。消臭性能も合わせ持ちます。(用途 ウインタースポーツウェアーや登山用衣類)

再生繊維

  • レーヨン  主原料は木材パルプ。吸湿性が大きい。強い光沢、ドレープ性がよい。染色性がよい。  水に弱い。非常にしわになりやすい。収縮しやすい。  (用途 裏地、下着、カーテン、婦人服)

合成繊維

  • ポリエステル  強く腰がある。型崩れしにくい。染めにくい。吸湿性が極めて低い。帯電しやすい。ピリングしやすい。  (用途フリース、裏地、学生服)
  • アクリル  ウールを目標にした合成繊維。軽くて、かさ高。弾性に富む。耐光性がよい。発色性がよい。  腰が弱い。ピリングしやすい。吸湿性が低い。  (用途 冬物衣料、セーター)
  • ナイロン  軽くて強い。伸びと弾性に富む。熱可塑性がある。染色性がよい。  日光で黄変や脆化、腰が弱い。  (用途 ストッキング、水着、スポーツウェア)
  • ポリウレタン  別名スパンデックス。伸縮性と弾性が非常に大きい。老化しにくい。細い繊維が可能。  吸湿性が小。塩素系漂白剤で劣化。  (用途 合成皮革、水着、ストレッチ素材) 

もう一つご紹介しますと、「iHeat(アイヒート)」という素材。これもアルペングループ東レが共同開発したというもので、うたい文句は、ヒートテックと同じですね。ですが、素材は、

  • アクリル 63%
  • レーヨン 32%
  • ポリウレタン 5%

と、ユニクロとはまた異なり、ポリエステルが使われていません。他にもイオンの「ヒートファクト」イトーヨーカドーの「ボディヒーター」、シマムラの「ファイバーヒート」、ミズノの「ブレスサーモ」などなど、同様の発熱素材を発売しておりますが、それぞれ素材と配分は同じではありません。違いは素材とその加工方法から生まれるのでしょうね。

wear03

速乾性についても一言。あれって洗濯・脱水して2時間で乾いたから速乾性があるとか、4時間かかったから速乾性が低いとかというレベルです。

自転車で峠を登ったときの大量の汗が、すぐその先の下りまでに乾く、もしくは肌面に水分を残さないような魔法の素材ははありません。(ファイントラックはかなりそれに近いですが・・・)

一般的な比較記事は、あくまで普段着としての比較です。そうでないものもあるかもしれませんが、テスト環境をよく読んでから、ご判断ください。

 

冬山という極限の状況下で着用するといえば、登山用のウェアーですね。価格がぐんと跳ね上がります。環境としては自転車に近いものですね。

日本のモンベルでは、独自の「ジオライン」というアンダーウエアのために糸一本から独自開発した高性能素材を販売しています。素材はポリエステル100%。

機能的には、吸湿速乾・消臭・ストレッチ性・静電気が起きにくい・高い保温力・断熱効果と、一見ヒートテック類と同じように見えます。

何倍も価格が違うけど、そんな違うの?

 

以前モンベルの辰野会長とお会いしたときに、

「アレ(ユニクロ)は街着だからね、こっちは生死にかかわる状況を想定して作っているから、同じわけが無い。」

というような内容のコメントを聞いたことがあります。なるほど、ごもっとも。私はこれを、このように解釈しています。

「軽自動車でも時速100キロで走れるけど、高級セダンの時速100キロの快適性とはレベルが違うでしょ。」

 

ユニクロのCMキャラクターでもあるプロテニスプレイヤーの錦織選手は、

「カラダを冷やさないために、練習後に着るようにしています。」

ユニクロ ヒートテック

といっているように、運動中は着用していないようですね。ということは、ユニクロのヒートテックは温度変化の激しいサイクリング中に着用するのは、お勧めしていないように思えます。(文字がとても読みにくいのはわざとなのかと、疑ってしまいます・・・・・)

ネットで検索すると、冬用アンダーウェアーの比較記事が沢山ヒットします。ですが日常生活で試したものがほとんどで、自転車のように登りでの大量発汗と下りでの急速冷蔵を繰り返すようなシーンでの比較記事はほとんどありません。自分で全て試すこともできませんので、ブランドが目的とすることをよく読み取り選ぶことになるのでしょう。

 

最後に、冬用アンダーウェアーは、素肌に直接着用していますか?

もちろんそれで全然良いと思いますが、あえて冬用のアンダーの下に夏用アンダーを着用するというのも、オススメの着まわしの一つです。冬用アンダーは保温性重視の為、夏用アンダーに比べて吸湿性にやや劣ります。肌面を少しでもドライに保つために、性質の異なる2種類のアンダーを重ねるという方法、是非お試しください。

オススメインナーはこちら

 

 

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