毎年ゴールデンウィークに開催予定の、ワールドサイクルベックオンフェスタ。 来年は第11回目を数えるのですが、ただいま喧喧諤諤と企画に頭を悩ましております。
そんな中、実際に競技を運営してくださる滋賀県自転車競技連盟よりこんな提案がありました。
- 会場となる東近江市のコースは非常に狭いことから、落車したときの安全性を考慮すると、ディスクブレーキは禁止にしたい。
なるほど、たしかにプロのレースでも大変な議論がなされておりますこの「ディスクロードでレース問題」ですが、日本の草レールにも影響を及ぼすようになってきました。
UCIがディスクブレーキのトライアルを中断 ルーベでの大怪我発生を受け 2016/04/15
まずはっきりと断言しておきたいことは、自転車の制動システムとしてのディスクブレーキは、従来のリムブレーキと比較して大変優れています。晴天時の平地走行においてはそれほどメリットを感じることはありませんが、手の小さい方、握力の弱い方、雨天時や、長い下り坂、激下り坂、寒いとき、において、リムブレーキと比較して実によく効きます。
ロードディスクブレーキが登場しはじめたときに、プロアマ問わず欠点探しがなされました。すぐに思いつくだけでも、重い、急に効きすぎてコントロールがむつかしい、ブレーキだけ強力でもロードは路面摩擦が少ないからすぐにロックしてしまい危険、メンテナンスが大変だ、ブレーキし続けるとローターの温度が上がり効かなくなる、落車時に凶器となる、輪行しにくい、他にもあるでしょう。しかしながらディスクブレーキが本当に効果絶大なのは、レース以外のサイクリングシーンです。どんな時でもレバーの引きは軽く、雨天走行でも安定した制動力、ブレーキパッドの急激に減ることもなく、荷物が多くて重量が増しても十分な制動力が発揮できるからです。
集団で走ることの多いロードレースではどうでしょう。肩が擦れ合うほど密集した状態で落車となれば、バイクが凶器となることは珍しくありません。もっとも凶器となる確率が高いのは、フロントギアです。バーエンドキャップの外れたドロップハンドルも大変危険です。UCIでスポーク本数が16本以上と規定されているのも、落車時に手などが入って深刻な怪我に陥る可能性が高いことを考慮したものです。
プロなら大人の事情で使えと言われれば使わなければいけません。でも草レースの場合、主催者は何よりも安全性を最優先に運営します。集団落車でディスクブレーキで深刻な怪我が起きてしまってからでは遅いのです。
また、その場合怪我をするのはディスクロードのライダーではなく、後続の落車に巻き込まれたライダーである確率が非常に高くなります。
したがいまして、来年2017年のワールドサイクルベックオンフェスタにおいては、ディスクロードはローカルルールとして禁止といたします。この決定は毎年検討されるので、この先ずっとということではありません。また、他の日本の草レースにおいても、主催者の判断で同様の決断がなされる可能性もあるかと思います。
ディスクロードの購入を検討されている方には、もし将来的に草レースに出場するかもしれないのであれば、出場できないリスクもあるといことを判断材料に加えていただければと思います。
最後にもう一度、2017ワールドサイクルベックオンフェスタでは、ローカルルールとしてディスクロードは禁止とさせていただきます。それ以外の自転車の規格については(公財)日本自転車競技連盟競技規則の個人ロード・レースの項に準じるものとします。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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