※2021年10月4日加筆
今風(令和元年)なロードバイクの特徴といえば、この3つ。
- ディスクブレーキ
- スルーアクスル
- チューブレスレディ
輪行マイスターとしてほおっておけないのは、最初の2つ。輪行グッズに大きく影響を与えるからです。とはいえ、道具が変わるだけで作業手順自体がそれほど大きく変わるものではありません。仕組みさえ分かっていれば、これまでどおり縦型輪行袋を使用した輪行は可能です。
まず必要なものは、この2つ。ディスクブレーキスペーサーと、スルーアクスル用のエンド金具です。
ディスクブレーキスペーサーについて
なぜこれが必要なのかというと、ディスクブレーキは車輪を外した状態でブレーキレバーを握ってしまうと、ピストンが飛び出してしまい、車輪(ディスクブレーキローター)をはめられません。もちろんちゃんと原因と仕組みがわかっていれば、簡単に治すことはできますが、そうならないようにする方が簡単です。それがパッドスペーサー。「オーストリッチ ダミーローター 2個セット」であれば、シマノでもカンパでもスラムでもテクトロでも使用可能です。これが必要なのはオイル式のディスクブレーキのみとなります。ワイヤーで引っ張っているディスクブレーキには必要ありません。
付け方は簡単。車輪を外して、ディスクブレーキのパッドの隙間に突っ込むだけ。スペーサー自体に前後の区別はありません。ゴムひもがついているので、万が一落ちないように、キャリパー本体にひっかけておいてください。重量も2個でわずか15gしかありません。
リアエンド金具の種類
縦型輪行袋であれば、クイックリリースだろうとスルーアクスルであろうとエンド金具は必須です。しかしエンドの形状が全く異なりますので、エンド金具も両立はできません。2019年4月時点で、製品化されているのは2つです。
- 左:オーストリッチ エンドスタンド 12mmスルー用 115g 鉄製のため、見た目よりはずっしりしています。
- 右:タイオガ リアエンドホルダー2 180g
オーストリッチ
ワッシャーがたくさん入っているので、どの順番で取り付けるのかわかりにくいですよね。片足タイプですので、取り付けるのはディスクブレーキ側になります。オーストリッチの同じ形状の片足エンド金具はリアディレイラー側に取り付けるようになっていますので、ご注意ください。反対の理由は、ディレイラー側にはスルーアクスルシャフトの雌ねじがあるため、そこに何か取り付けるとねじ山を破損しかねないからです。
取り付ける順番は、外側から
- クイックレバー
- 段付きワッシャー(小さい段差がフレーム側)
- フレームエンドを挟みます。
- ワッシャーを1枚か2枚(フレームの内側の形状によって異なります。)
エンド金具 - クイックナット
の順番に取り付けてください。チェーンがたるんだままですので、「R250 パーキングストッパー&チェーンフック」を使用してチェーンを引っ張っておいた方が、チェーンステーに傷がつくのを防げます。
車輪で両側から挟めば、自立します。3本のストラップで固定すれば、オッケー。リアのスルーアクスルシャフトは輪行に使用しないので、置き忘れないように用心してください。
あとは従来と同じです。ショルダーベルトをBBに固定して、袋に入れて、ショルダーベルトをステムに固定して、袋を閉じれば完成。
タイオガ リアエンドホルダー2の使い方
タイオガからもスルーアクスル対応リアエンド金具が発売されています。
本体パーツとシャフトが各1つ。ロードバイクのスルーアクスルはリアエンド幅142mmで統一されつつありますが、マウンテンバイクの148mmや150mmなんて規格にも対応しています。エンド幅はキャップの締めこみ具合で調整します。スルーアクスルだけではなくクイックレバーエンドの130mmと135mmにも対応しています。でもクイックレバーなら、こんなごついものよりR250のエンド金具の方がコンパクトで軽くておすすめです。
組み立て方です。142mmスルーアクスル142mm用として解説します。シャフトを本体に固定するのですが、接合部には溝があるため、その溝に沿ってはめてください。溝にはめないと幅が変わってしまいます。
ちょっと面倒に感じるのが、キャップの締め具合で幅が決まるところ。刻印をよく見て、その位置まで締めこんでください。
さて、エンドに取り付けましょう。でもちょっと待ってください。シャフトにはいかにもチェーンが通りそうなローラーがありますね。このローラーにチェーンを通すと、チェーンのたるみがなくなり、フレームに接触しなくなります。必ず通しておきたいところですが、取り付け方が複雑です。詳しくはこちらをご覧ください。
ここは毎月行っている輪行マイスターの輪行講座でも、「もっとも難しいところ」として紹介しています。最後のリアディレイラーをローギアにするという部分ですが、ローギアではなくローギアから7~8枚目くらいにしておいてください。理由は、このエンド金具のシャフトのチェーンが通る部分は横にスライドしないからです。
取り付けた状態がこちら。
サドルとエンド金具で立てると、こんな感じ。とてもしっかりしていて、安定感があります。
最終的にこの状態。作業時間的にはクイックレバー&リムブレーキの輪行+1分あるなしくらいでしょうか。
車輪の向きは、「ディスクローターが外側」と覚えてください。ローターを保護するカバーというものがありますが、輪行マイスター的には不要と考えます。布のカバーですので、変形を防ぐような効果はありません。チェーンなどのオイルがついて汚れるという心配から必要と思われる方は、取り付ければよいと思います。
最後に、気になる重量です。
モデル名 | 重量 |
オーストリッチ ダミーローター 前後セット | 15g |
オーストリッチ エンドスタンド 12ミリスルーアクスル用(鉄製) | 115g |
R250 エンド金具 ゴールド(リア用のみ)(アルミ製) | 81g |
タイオガ リアエンドホルダー2 (スルーアクスル用のみ)(樹脂とアルミ) | 180g |
R250 チェーンフック | 5g |
タイオガのリアエンドホルダーは突出して重たいだけでなく、かさばります。輪行袋の中にはどうしても入りません。
最終的な判断は、こちらを参考にしてください。輪行マイスター的には、少しでもコンパクトになるオーストリッチですが、そんなに頻繁に輪行しないのであれば、安定感のあるタイオガがおすすめでしょうか。
携帯性・重量 | 安定感 | |
オーストリッチ エンドスタンド 12ミリスルーアクスル用 | 〇 | △ |
タイオガ リアエンドホルダー2 | △ | 〇 |
本命はここから
このブログを公開した後、オーストリッチから新型スルーアクスル用エンド金具が発売になりました。はっきり言って、コレが一番使いやすいので、上で紹介したアイテムはすべて忘れていただいてオッケーです。動画でご紹介しております。
輪行袋は、R250の縦型輪行袋1択ですね。
なお、この方法は鉄道を利用した輪行、つまり最初から最後まで自分の目から離れないときの輪行方法です。飛行機や宅配便のように、人の手に渡ってどういった扱いをされるかわからないケースは、更に用心した輪行テクニックが必要となります。
最新情報をお届けします
Twitter でWORLDCYCLE_BLOGをフォローしよう!
Follow @WORLDCYCLE_BLOG