大変好調に販売数を伸ばしている、Qファクターを狭くして適正な足の幅にすることができるディズナのラ・クランク。実際に関西シクロクロスで使用してみて、そのナチュラルな踏み心地に大満足の岩田でしたが、一つ気になっていたことがありました。
ラ・クランクは、クランク・ギア板・BBの3点セットで販売しているものと、クランクだけで販売しているものの2種類をラインナップしています。クランクだけのものを購入すれば、PCD110mmの5アームのギア板と、シャフト径24mm対応のBB(いわゆるシマノのホーテックII)を流用することができます。
しかし違いが一つ。クランクのスパイダーアームのデザインが、カンパタイプです。スギノのクランクや、最近の4アームになる前のシマノは、スパイダーアームは下の画像の左のデザインでした。画像の中の番号で言うと、3と4のピン間にクランクがありますね。
カンパの場合は、下の画像の右のデザインのように、4のピンの位置にクランクがあります。つまりこの位置のクランクのみ、ピンは裏側から止めることになります。
つまり、シマノタイプからカンパタイプに組み替える時、スパイダーアームとピンの位置をどうするか?
「そんなんちょっとずらせば、ええんちゃうの?」
と思われるかも知れませんが、このちょっとが大問題。ギア板を裏側から見てみましょう。
オレンジ色の矢羽の位置をご覧ください。複雑な加工が施されていますね。これが、インナーからアウターに変速するときのチェーンの通り道となり、変速性能を左右するキーポイントとなるわけです。
したがって、ここの角度が変わってしまうと大問題。メーカーが意図する変速性能は得られなくなってしまいます。
もう一つ、こんなものもあります。
シマノのクランクにもにある、チェーン脱落ピンというものです。上の画像ではおかしな位置にありますね。本来これはクランクアームの裏側に位置しており、万が一アウター側にチェーンが落ちたときにチェーンがアウターギアとクランクアームの間の溝にはまり込んでしまわないようにするためのものです。
カンパの場合は、5ピンとクランクアームが同じ位置にあるため、このピンは存在しません。
このピンは圧入されているため、グラインダーなどで削り取ってしまえば、取り除くことができます。もちろん再度つけることはできませんので、作業は慎重に。
私の場合、最初上の画像のようにあまり考えずに、少し角度を変えた状態で取り付けていましたが、これが大間違い。よくよく考えると、ギア板はクランクシャフトを境に上下(というか左右)同じ動きをしますので、チェーン脱落防止のピンが180度反対側になるように組み付けるというのが正解です。
早速組み付けました。いや、というより組みつけようとしたのですが、ここで再び大失敗。アルミ製の5ピンを徐々に締め付けていく最中に、うっかり割ってしまいました・・・・・
メーカーに確認すると、5ピンの締め付けトルクは8~12ニュートンとの事です。(取扱説明書には記載されておりません) シマノが12~14ニュートンですから、すこし低めです。トルクメーターは使用していませんでしたが、8ニュートンでも良いといわれると、自信がありません。
しっかし、だからアルミの5ピンは嫌だったんですよね。しかもこのピンは5ミリのアーレンキーで締め付けるタイプ。穴が大きいので、肉薄なんですよね。スギノのアルミ製ピンは以前は4ミリのアーレンキーで締め付けるタイプでしたが、やはり破断してしまうことが多かったため、より穴を小さくして厚みを取れるように、トルクスネジ(T30)を採用しています。(グランコンペも同様にトルクスを採用)
割れてしまったピンを手配して、今度こそねじ頭を飛ばさないように。これでようやく正常に取り付けが完了。セットで購入の場合はあらかじめギア板が組みつけられておりますが、クランクのみでご注文の際には、ご自分で取り付けることになります。もちろんグリスはよく塗布して、取り付けに十分ご注意ください。
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