最近自転車乗りをざわつかせている「ナカガワ エンドワッシャー」を試すために、ゴールデンウィーク中に大阪から愛知県の実家まで「帰省ライド」をしてきました。
前日の晩に、ナカガワエンドワッシャーを「東洋フレームカーボンハイブリッドロードバイク」にインストール。クイックレバーを外してつるまきバネを外して、エンドワッシャーを取り付け、あとは普通にクイックレバーを締めるだけ。コツも何もなく、所要時間は1分もかかりません。前後の違いは、爪の幅。前用が9mm、後用が10mmです。そのままハブシャフトの太さの違いです。爪の厚みは前後とも6mmです。爪の幅だけだと見分けがつきにくいため、前用には小さな穴があけられていますので、それを目印にすれば簡単です。
ロードバイクのクイックレバー用フロントフォークのエンド幅(内~内)は100mmですが、シマノの前用クイックレバーには、軸長が2種類あります。上位グレードのモデルは133mmですが、下位グレードのモデルには、129mmと133mmの2種類があります。ナカガワのエンドワッシャーを取り付ける場合、エンド幅(外~外)が4mm大きくなるため、クイックレバーは軸長の長い方の133mmがおすすめです。
爪の厚みについて:ナカガワのスチールフレームの場合、前後6mmです。多くのスチールフレームもそうだと思います。カーボンフレームの場合は7mmが多いのですが、トレックの一部のモデルには5.8mmというのもあるようなので、ご注意ください。1mmでもワッシャーの爪がエンドの厚みより大きいと使用できませんので、しっかりとノギスで計測して、お選びください。
5月5日は自転車の日ですが、その2日前、5月3日の午前6時半自宅を出発。すーっと走り出すと、エンドワッシャーの効果は全く感じられません。軽く平地を流しているだけですからね、これで「何ということでしょう!」なんて言い出したら、嘘くさい提灯記事になってしまいます。
最初の登りは国道163号線の清滝峠です。軽くダンシングしてみますと、なるほどただ事ではない違いを感じました。キャッチコピー通りです。フォークの剛性が上がり、ハンドルから路面に伝える力、路面から伝わってくる感触がよりくっきり感じられます。下りでスピードが上がり、やや舗装の荒れた区間を通過するときでも、タイヤと路面の接触している感触が薄くなってふわふわすることが少なくなりました。コーナーリングは最も違いが感じられました。バイクを倒してもフォーク・ホイール・タイヤがしなってふわっとする感覚が少なくなって、安定感が増えた感じです。
木津川沿いに緩やかなアップダウンを繰り返し、忍者の里伊賀に到着。そのままR163を通っても愛知県には行けるのですが、R423で上野まで。名阪国道を超えてR165の青山峠を目指します。ここまでのコースは学生時代サイクリング部の恒例行事「耐久ラン」で走ったところです。23年ぶりに走りましたが、懐かしい「阿保(アホ)」という交差点も見つかり、当時ランドナーで走ったころが思い出されます。
ここで、エンドワッシャーを取り外します。経験上アップグレードをして良くなった時の感触より、ダウングレードした時のほうが違いが感じやすいからです。他のバイクパーツだとこういうことはまずできません。逆にこれで違いに気が付かなかったら、単なるプラシーボ効果でしかありません。
エンドワッシャーを取り付けて初めて走り出した時は、すぐに違いがわかりませんでしたが、外した時はすぐにわかりました。ハンドルがふわふわするんですよね。ちゃんとタイヤと地面が接触していないというか、少し浮いているかのような。コーナーリングも安定感が違います。もとのフレームが日本が誇るハンドメイドバイクメーカー「東洋フレーム」のハイエンドモデルですから、そのままでも戦闘力は相当高いはずです。私のような貧脚が限界まで乗りこなせるような軟な剛性なんかではないというのはよくわかっているのですが、それでもエンドワッシャーがついていた時と比べると、少し頼りない。
例えるなら、めっちゃ旨い思っていたラーメンに、更に旨くなる胡椒があるといわれて、それをかけたら本当に更に旨くなったって感じ!
こういうのって絶対的数値で効果を表現するのがむつかしいのですが、私の感覚的には、エンドワッシャーをつけると、1割くらい登り、コーナー、下りが走りやすく感じました。
つるまきバネを取り外すことで、ホイールの取り付けには少し慣れが必要です。はめるときにエンドワッシャーの爪がエンドの溝にピッタリ入らないとだめですからね。慣れるとエンドワッシャーの爪のある方が重いので、自然と下向きになって、うまくはまるようになります。
ホイールを外す感覚は、全く同じです。フロントのクイックシャフトを緩めたときに、緩めすぎてナット側が外れてしまうかもしれません。フロントフォークの爪が必要以上に大きい方は、工夫するとよいと思います。
「エンドワッシャーの爪がハブにピッタリ接していないと効果がないのでは?」と使う前に想像される方が多いようですが、実際はそんなことはありません。まぁ試してみてください。もちろん、エンドワッシャーの爪の厚みのほうがエンドの厚みより0.1mmでも分厚いのはダメですよ。ノギスで正確に計測して、エンドの厚みと完全にピッタリか、0.1mmでも薄いエンドワッシャーをお使いください。
こちらは20数年前まで主流だった、ロードバイクのリアエンド形状。通称「ロードエンド」or「逆爪」クイックレバーのナットとエンドの接触面積は、現在主流のストレートドロップエンド(ストドロ)よりもかなり小さいですね。この時代にエンドワッシャーがあれば、もっと効果があったかもしれません。
クイックレバーの素材は、アルミ製と鉄製があります。レバーはアルミで、フレームと接触する部分は鉄というのもあります。エンドの素材がアルミやカーボンであれば、アルミのクイックレバーでも強度的には釣り合いが取れるかもしれませんが、ナカガワのエンドワッシャーは鉄製です。鉄製の硬~いエンドに、アルミのクイックレバーでは、レバーが負けてしまいます。しっかり締めたつもりでも、固定力が弱いかもしれません。シマノのクイックレバーはすべてのグレードで「鉄製」です。アルミ製では確実な固定力を得られないという判断ですね。
もう一つ、エンドの厚みというものがあります。安価な見た目だけスポーツ車の中には、フレームの造りは軽快車と同じというものもあります。エンドの厚みを見るとペラペラです。そんなフレームにクイックレバーの車輪がついていたら、要注意ですよ。
ナカガワサイクルワークス エンドワッシャー 刻印入り 前後セット
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