どれだけ完璧に整備した自転車でも、走行中にパンクしてしまうことは100%避けられません。その時途方にくれないように、スポーツバイクで走りに行くなら、パンク修理キットは必ず持っていくべきです。使い方を熟知していることはそれ以上に当然のことです。ちょっと大きな本屋さんに行けば、メンテナンスマニュアル本は販売していますし、それ以上にネットではブログや動画が見つかることでしょう。あとはやる気次第。

パンク修理キットと一口に言っても、いろいろあります。

• タイヤを外すためのタイヤレバー。
• 文字通り穴の周辺を削るための紙やすりと、穴をふさぐパッチ。
• 穴をふさぐ手間を省くために、交換するだけで済む予備チューブ。
• 空気を入れるための携帯空気入れ、もしくは炭酸ボンベ。

どれもものすごい種類があるので、どれを買ったらよいのか迷ってしまいますね。いいものが次々と発売されますが、今回もなかなか良いものが発売されました。最近種類が増えてきた、ポンプとしても、炭酸ボンベアダプターとしても使用できる、ハイブリッドな携帯空気入れです。

マジックワン DUAL FUNCTION PUMP 超小型携帯ポンプ＋炭酸(CO2)ボンベアダプターヘッド

ボトルケージ台座に固定しておくことができるように、アダプターが付属します。かなりコンパクトなので、実際にバイクにセットするとカモフラージュしてほとんどどれかわからないくらい。

真横から見ても、かなりのコンパクトさ。ボトルケージよりも短い。

真上から見ても、短いパイプがわずかに外側についているという程度。

口金部分が汚れないように、アダプターでカバーができるデザイン。口金部分を先に差し込んで、胴体部分をはめ込みます。

ポンプの口金は米式ですので、仏式チューブに使う場合は「仏→米アダプター」が必要です。もちろん付属していますよ。アルミ製でアダプターにセットしておくことができます。またこのアダプターは、仏式バルブのコアを外す工具としても使用できます。延長バルブを使用している場合は、これ一式で用が済みます。

仏式バルブに使用するときは、バルブキャップを外してバルブの先っぽを全開に緩めてから、アダプターをバルブにセットします。

続いてポンプ本体の口金をアダプターにねじ込みます。2段階で手間がかかりそうに思いますが、仏式バルブの先のねじ山って細くてピッチが荒いので、まっすぐねじ込もうとしても斜めになったりしてとてもやりにくいんです。仏式から米式に変換するアダプターを付けて、それにポンプの米式バルブの口金を差し込む方が、初級者の方にはとっても簡単です。

このとき注意事項が1点。ポンプの口金をアダプターの米式バルブにねじ込むのですが、1/3ほどしかかかりません。見た目的にねじ山が沢山余っているように見えますが、これ以上動かなくなるまでねじ込んだらオッケーです。ねじ込めるのは3山くらいです。

あとはポンピング。はっきり言ってしんどいです。7気圧入れようとしたら、600回以上、10分近くはかかりますよ。握るところが熱で熱くなってくるし、汗で滑ります。大胸筋の筋トレと思ってポンピングしましょう。

そんなのやってらんねぇよ～という方は、さっさと炭酸ボンベを使いましょう。このセットに炭酸ボンベは付属しませんが、一般的なサイズ（16ｇ）でおよそ200円程度です。700ｘ23cのタイヤであれば、1本でおよそ7気圧入ります。その間わずか3秒。

炭酸ボンベを使うには、口金からポンピングするシリンダー部分を左に回して外してしまいます。

そこに炭酸ボンベをねじ込みます。炭酸ボンベを使うと、数秒遅れでボンベの温度が急激に低下しますので、素手で握っているとくっついてしまいます。ドライアイスですからね。そうならないように、ネオプレーン性のカバーが付属します。あらかじめボンベにかぶせておきましょう。

ボンベをこれ以上回らないというところまで右回しにしたら、準備完了。左に90度ほど回すと、シューっと一気に炭酸ガスがバルブを経由してチューブの中に入ります。わずか数秒で入ってしまいます。シューという音がやんだら、ボンベを右側に回して、口金とアダプターを外します。

口金もボンベも冷え冷えですので、夏は気持ちいですよ。首筋などにあてて、生き返りましょう。

その状態ではボンベの中に炭酸ガスが少量残っていますから、人のいない方向に口金を向けて、再度ボンベを左に回します。シューっと残りのガスが弱弱しく噴き出します。ボンベはその場に捨てずに、持ち帰って不燃ごみとして処理してください。

仏→米アダプターを外して、バルブの先を締めて、バルブキャップを取り付ければ、パンク修理完了です。炭酸ボンベを使ってのチューブ交換なら、5分もあれば十分できちゃいます。

使わないときはボトルケージの横にひっそりとたたずんで目立たない、炭酸ボンベ口金兼用携帯ポンプ、ご紹介いたしました。

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