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しまなみ海道 とびしま海道 ゆめしま海道

頭痒いとこないですか?

*大阪から輪行してオレンジフェリーで行く、しまなみ・ゆめしま海道サイクリングツアー

大阪南港フェリーターミナルから、愛媛の東予港(とうよこう)まで

昨年(2015年)11月、こんなブログを公開しました。

普通にフェリーを利用するより、輪行袋を持って行ったほうが安くなるんですよというお得情報のご紹介です。ですが私、このオレンジフェリーを利用したことが無いのです。それから4ヶ月、ようやく往復オレンジフェリーを利用して、しまなみ海道とゆめしま海道を走りに行くことができました。

しまなみ海道はこれで8回目、今回もガイドブックは「しまなみ島走ブック」と、新たに「ニッポンのじてんしゃ旅 瀬戸内7海道サイクリングガイド」そして、「現地での情報収集」です。

水曜日の仕事を終えてから、そのまま南港まで15キロほど自走し、8時30分に乗船。南港からの出航は午後10時ですが、午後8時から乗船することができます。船内でお風呂もレストランも利用できますので、下手に時間調整する必要が無いのはうれしいですね。

南港フェリー乗り場には、サイクルラックとフロアポンプが常備されたサイクルステーションが設置してあり、そこで輪行することが出来ます。ちゃちゃっと輪行して、いざ乗船。他のお客さんは長距離トラックの運転手さんや、春休みの学生さんたちがほとんどでしたね。自転車客は私一人だったように思います。

船内のレストランで焼肉定食をいただいてから、お風呂に入りビールで一杯やったら、後は寝るだけ。要するに動く旅館といった感じです。旅館と違うのは、食堂やロビーに人が多いのと、各部屋にお風呂が無いこと、航行中は携帯が圏外になることくらいです。起きたらもうそこはもう愛媛の東予港(とうよこう)です。※2017年2月現在、船内には無料Wifiがあります。

船内で朝食をいただいてから、下船します。東予港にもサイクルステーションはありますが、南港と違って屋外、寒い。フェリーターミナルも南港よりは質素ですが、安心してください、2年後に立て替える予定があるそうです。

フェリーターミナルの周りには全く何もありません。とっとと今治までの約24キロを走りましょう。一本道なので迷うことは無いと思いますが、緩やかな丘が1個あります。今治よりはほぼ市街地です。

途中の立ち寄りスポットとしては、今治市の東側にある日本食研の宮殿ですね。

松山からゆめしま海道へ

1時間ほど走って、8時過ぎに今治駅前に到着。最初の予定はフェリーに乗ってゆめしま海道の岩城島(いわぎじま)に渡ること。フェリーの出港時間は9時40分なので、かなり時間があります。ここは、今治駅前のゲストハウス「シクロの家」のオーナーでもあり、「しまなみ島走ブック」の著者でもある宇都宮さんにご挨拶を。ちょうどこの日は宇都宮さんが当番だったようで、玄関開けたらいきなり歯磨きをされていました。この日も満室。東京からこられた学生さん達はレンタサイクルでしまなみ海道を走りに行くということでしたので、一緒にルートの相談を。大島のパン屋さんまで往復40キロほど走ることに決定しました。

今治から岩城島へ

フェリーに1時間ほど揺られたら、あっという間に岩城島(いわぎじま)。ここではレモンを食べて育ったという豚が名物です。宇都宮さんにオススメしてもらった「活魚民宿よし正」さんで、レモンポークのしょうが焼き定食をいただきました。脂身まで柔らかくて、旨い。

港から時計回りに3/4周走り、フェリーで因島へ。2年後には岩城島から生名島(いきなしま)に橋がかかる予定です。便利にはなりますが、フェリーの味わいもいいものです。

岩城島から佐島へ

因島に到着したら、100メートルほど東側にある別の港に移動して、渡船で佐島(さしま)に渡ります。佐島には「Uターンブルーライン」があり、そこを目指します。いやしかし、道が細くて、小石もごろごろです。初級者にはあまりオススメできないコースです。勾配10%を超える坂もバンバンあります。ちょっと覚悟して走ってくださいね。

行き止まりのUターン地点の手前で、倒れたスクーターの横でうずくまっているおばあちゃんを発見。「大丈夫~」と声をかけると、コーナーで滑って転んでしまったそうです。脚をバイクに挟まれたということで、長靴を脱ぐと青くなっていましたが、立って歩くことは出来るようです。スクーターもチェックして問題なかったので、そのまま乗っていかれました。地元の方でもうっかり滑ってしまうこのコース、せっかくブルーラインにするなら整備しておいて欲しいところです。

ブルーラインの無い道も含めて、佐島をほぼ一周しました。

佐島から弓削島へ

佐島からは弓削大橋で弓削島(ゆげじま)へ。まずは南側半分の海岸線をぐるっと。ここもタフです。おなかがすいてきたので、弓削島の「しまでカフェ」さんへ。シャッターが半分閉まっていたのですが、偶然中にいたお店の方と目があい、快く休憩させてくれることに。店内にはベッキーさんなど有名芸能人の写真があったので、同じアングルで写真を。スタッフの村上さんと弓削島の塩田の話や、取材で来てくれた芸能人のお話などをして、小一時間。コーヒーとシフォンケーキをいただきました。

ちょうど通り雨があったようで、バッチリのタイミングで休憩することが出来ました。

この日はオレンジフェリーを含めて5回もフェリー(渡船)に乗ったのですが、自転車代は全て無料。2000円以上得しました。上島町いいね!

サイクルフリーで上島町へ行こう

自転車が無料になる魔法のチケット。

弓削島を一周すると、渡船で因島へ。船内で一緒になったご夫婦から、はっさくをいただきました。ご夫婦からは、弓削島や因島の因島八十八ヶ所めぐりのお話を聞かせてもらいました。ここら自転車で走っていると、地元の方々から「みかん」をいただきますので、鞄はすこし大き目がいいですよ。

因島は普通に西側ではなく、因島水軍スカイラインといわれるタフな東側を走行。5時を過ぎると急に冷えてきて、手足が冷たくなってきました。花粉が飛んでいるのか鼻水も止まりません。自動販売機で暖かいお汁粉を買って、もうひと踏ん張り。

向島の予約していたお宿「B&B潮風」さんに6時30分に到着。普通のお家を改装して民宿にしたお宿で、この日は私を含めて4組が宿泊。映画「阪急電車」の宮本信子さんのようなお上品なおばあちゃまの2人組みが泊まられていました。お一人は近くの学校で語り部を、もうお一人はお人形さんを作る教室をされるということで、何故か話が盛り上がってしまい、「将来の夢はあるの?」などと深い~話をさせていただくことが出来ました。

この潮風さん、リビングで宿泊客が描かれたノートを見ていると、「たまゆら」というアニメの舞台にもなったそうで、聖地巡礼として宿泊されるかたも多いそうです。痛ジャージを数多く販売しているワールドサイクルとしては、見逃せん。晩に部屋で一人になってからは、スマホで「たまゆら」調べましたよ。それから改めてリビングを見てみると、たまゆらグッズがあちらこちらに飾ってありました。

 

二日目 尾道(向島)から東予港

お宿でゆったりと朝食をいただいて、9時にスタート。まずは向島の最高地点(標高283m)「高見山」を目指します。ここも勾配10%を超えるハードなコース。山頂からの展望は登った甲斐がありますよ。まさに360度のパノラマ。因島大橋から尾道が一望できます。大島の亀老山やカレイ山にも負けない眺望です。

下りきって因島大橋を渡り、因島へ。ここでは「はっさく屋」さんのはっさく大福は絶対に外せません。無料のコーヒーととはっさく大福を1個いただいて、家族へのお土産を購入。

はっさく屋さんの下には、因島八十八ヶ所めぐりの第一番 霊山寺(りょうぜんじ)があります。ここでこの旅で唯一悲しいことが。因島大橋手前に悲しいゴミが棄てられていました。

因島から生口島に渡り、「ドルチェ」でジェラート休憩。瀬戸田では「国宝」という看板に釣られて、向上寺の国宝三重塔を見学。室町時代に立てられた、プロポーション抜群の三重塔です。

瀬戸田からは高根島(こうねしま)に渡り、時計回りに島一周。西側はフラット、東側はアップダウンとトンネルがあります。このトンネルは2年前までは手彫りで岩がむき出しだったのですが、今年綺麗に生まれ変わっていました。

ちょうどお昼時だったので、瀬戸田のしおまち商店街でお店探し。看板にひかれて「汐待亭」さんに。

古民家を改装したカフェ&バーで、昨年オープンしたばかりだそうで、オーナーさんは元自転車屋さん。店内には自転車のパーツも販売してますよ。

汐待亭さんでいただいたのは、「仔牛の熟成厚切り牛タン丼」。絶妙な塩味と歯ごたえがたまりません。他にも「豚の角煮丼」や、「せせりの炭火焼き丼」など超旨そうでした。食後のコーヒーとチョコケーキも上品なお味で得した感じ。

汐待亭

生口島から多々羅大橋を渡り、大三島の大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)を目指します。ここでの目的は高校受験中の息子に合格お守りをいただくこと。樹齢3000年を超える楠などをじっと眺め、気を静めます。

大山祇神社の目の前のお土産屋さんでは、昨年もいただいたホットみかんジュースをいただきました。「なんかん20」という種類のみかん5~6個を絞ってお鍋で暖めたジュースです。みかん以外何も入っていないのに、甘くて体が温まります。自家用に栽培しているみかんだから出来る150円という値段、おいしいです。

ホットみかんジュースをいただいて出発しようとしたところ、クロスバイクで困った風な女性を発見。そういう時、職業柄すぐにタイヤとチェーンに目が行くんです。案の定チェーンがぶら下がっています。

「安心してください、私自転車屋ですから」 と、ほんの数秒でチェーンをはめてあげました。わりとそっけなく立ち去るのですが、相当なドヤ顔していたと思います。

多々羅しまなみ公園のサイクリストの聖地も外せません。バイクとヘルメットを預けて、ポーズ。

多々羅大橋

大三島から伯方島と渡り、遂に最後の大島に上陸。亀老山を登る予定でしたが、山の上には雲がかかって沈む夕日は望めそうにないのでここはスルー。雲に沈む前のギリギリの夕日が来島海峡大橋の上から望むことが出来ました。

さて、来島海峡大橋は約4キロ。途中にトイレがあります。トイレは途中の島にあります。その島に行くには、坂道を下らなくてもエレベーターでいけるんです。その島は「馬島」かつて今治藩が馬を育てていたらしいです。

エレベータを降りると、正面に仮設のトイレが。そして巨大迫力の橋脚がド~ン!なんちゅうコンクリートの塊でしょう。

道があるのでいってみると、集落が。人住んでるんですね。さらに港が。そして鉄筋3階建ての立派な民宿まで。こんな小さな島なのにトンネルまでありました。でも誰にもあいませんでした。

ビーチもあって、この馬島はかなり穴場かもしれません。なんせ、グーグルのストリートビューでも見られませんから。(弓削島のUターンブルーレーンもストリートビュー未対応)

 

さあ、あとは帰りましょう。今治ではB級グルメの「焼豚玉子焼き丼」をいただいて、8時に東予港到着。屋外のサイクルステーションは寒くて風も強かったのですが、乗船すればすぐにお風呂に入れます。

金曜日の晩の便ということで、行きと違って乗客が沢山。家族連れや学生さんの団体で、ロビーやレストランは大盛況でした。オレンジフェリーの大阪-今治便は船が2隻あるのですが、帰りは「オレンジ8」という少し新しい方の船でした。基本構造はほぼ同じですが、やっぱりちょっと綺麗です。

学生さんたちは、夜通しロビーで語っていました。私も学生の頃舞鶴から小樽にフェリーで行ったときの事を思い出しました。若いとこういう時って寝るのが惜しいんですよね。

定刻どおりフェリーは6時過ぎに大阪南港に到着。フェリーには8時まで滞在できるそうなので、その日休みの私は、8時前に下船。自宅まで約40キロ自走して、無事帰宅しました。

二日間のコースをご紹介します。

しまなみ海道 ゆめしま海道

微妙なのが東予港から今治までの24キロ。東予港から予讃線(よさんせん)の最寄り駅「玉之江駅」までは約3キロ。でもこの「玉之江駅」は駅舎が全く無い無人駅。ひとえき今治寄りの「壬生川駅」のほうが輪行するにはいいと思います。今治をスルーして来島海峡大橋の下に最も近い「波止浜駅」まで輪行してもいいでしょうね。ただし電車は1時間に1本ですから。乗車時間は約30分。輪行が15分くらいでちゃちゃっと出来るなら、自走するより輪行のほうがすこし速くなると思います。

コレだけ走っても、かえって「しまなみ島走ブック」を見返すと、いけてないところがまだまだ多い。恐るべししまなみ海道。でも次回はとびしま海道と、大崎上島、大久野島あたりを隅々まで走ってみたいですね。

 

そんなしまなみ海道、見所が多すぎて、はじめのうちはサイクリングで効率よくめぐるのはかなり難しいと思います。そんな貴方に、ワールドサイクルが9月にツアーを開催しております

今年で4回目となりますが、既に日程は9月3日~4日に決定。只今詳細を詰めておりますので、3月中には申し込みが始まる予定です。

しまなみ海道を走りつくした輪行マイスター岩田と一緒に、しまなみ海道を楽しみましょう!

 

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